過去
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び声に、私は驚き半分と好奇心半分で見に行った。
そこにいたのは、食人鬼と呼ばれる怪物が倒れていて、血に塗れた白夜くんが立っていた。
そのときの白夜くんは昼間とはまた違う、冷たい眼をしていた。
まるで死体を物として見るような眼だった。
さっきの叫び声に気がついたのか食人鬼たちがわらわらと出てきたんだ。
数は軽く100は超えていた。
食人鬼は普通の一般人じゃ敵うような相手ではない、世界チャンピオンでも100体の食人鬼を相手に勝てるとは思えない。
それどころか10数体倒せれば良いところだろうね。
食人鬼の姿は本当に恐ろしいもので、屈強な男でも目の当たりにしたら膝が笑って動けないだろう。
それに殺気を放つものだから何もせずに食われるのがオチ。
それでも白夜くんは恐れずにただひたすら食人鬼たちを殺していった、何も持っていない、素手の状態でね。
しばらく放心していた私は我にかえった。
そこには食人鬼の死体と、やはり疲れたのか呼吸を整える白夜くんがいた。
私は怖くなって逃げ出そうとした、けど遅かった。
私の背後には、生き残っていた食人鬼がいたんだ。
前「ひっ????うわああああああああッッッ??」
何かを切り裂く音が聞こえて、生暖かい何かが顔にかかって鉄臭い臭いがした。
不自然な重みがきて、尻餅をついた。
目を開けて見てみると、肩をバッサリと切り裂かれた白夜くんがいた。
食人鬼の追撃が再び繰り出されると思ったそのとき、痛みをこらえて立ち上がった白夜くんが食人鬼を殺した。
そのおかげで助かったんだけど、何故か悲しかった。
痛いと泣くこともなければ、苦しいと助けを求めることもない。
ただずっと独りでいるような感じだった。
白夜くんの怪我は徐々に回復していた、人間ではあり得ない光景だったよ。
そこでようやく気がついたんだ、白夜くんが人間ではないことに。
それに白く輝く銀色の髪に、血のような紅い眼、おそらく白夜くんは気味悪がられていたんだろう。
あんなの人間じゃない、まるで化物のようだ、とね。
完全に傷がふさがった白夜くんは気を失って倒れた、私は急いで救急車を呼んだ。
その病院っていうのがここで、元は父が働いていたんだ。
父が白夜くんを診てくれたよ、怪我の痕は何もなかったとは言っていたよ。
ただ????、不可思議な模様が白夜くんにあったんだ。
腹の中心あたりには大きく円があって、まるで閉ざされた眼、その円の周りには禍々しい模様。
入れ墨でも何でもないそうだ。
白夜くんは次の日から何事もなかったかのように、また幼稚園へといつも通り通い始めた。
助けてくれたお礼も言い出せないまま時間
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