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遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
十五話 ー不動の奥義、です。ー
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やく理解する。
普通、あんなの見たら絶縁か、破門かと思うだろ、と内心でつっこんでおく。
そして、権現坂は親父さんの意図を察したのか立ち上がり、親父さんに深々と頭を下げる。
「……すまん、親父!」
「ふん、お前に頭を下げられる通りはないわ。……さっさといけ。」
ぶっきらぼうにそう言い返すが、若干声が震えているのがわかった。
……親父さんも辛いのだろう。
「……優希、もう一度頼む。
この漢、権現坂。一人の決闘者として弟子入りしたい!是非、この俺に貴殿の技を授けてくれ。」
親父さんに頭を下げた後、道場の片隅で見守っていた私のところまで来ると腰を折り、頭を深々と下げて請う。
ここまでされて、私も断れるほど薄情ではない。
「うん、私にできることなら。え〜と、よろしく?」
「おぉ、ありがとう。感謝してもしきれないほどだ、優希!」
「お、おう……さいですか。とりあえず、暑苦しいから離れろ」
感激のあまり涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔のまま目の前で感謝の言葉を並べる権現坂をなんとか宥め、遊勝塾の面々と言葉を交わし、今日は解散となる。
そして、他の面子が一足先に帰った後、権現坂の父親に呼び止められる。
「な、なんですか……」
「……優希と言ったな。……ありがとう」
文句でも言われるのかとビクビクとしていると、予想とは真逆に、頭を下げられ礼を言われた。
訳が分からず、ポカーンとしていると親父殿の独白が続く。
「昇のことを頼んだ。あいつは根が真面目でいい奴だが、一旦決めたことは最後まで曲げない性格でな、手を焼かせるかもしれない。だが、あいつが思う極地とやらにどうか届かせてやってほしい。」
「……けど、私なんかが、出来ますかね?」
恐る恐る訪ね返してみれば、大丈夫だ、と笑顔で返される。
「お前の弟は、姉の為に勝つと言っておっただろう。弟子に慕われる者はいい師となる。……必ずな。」
「……。」
その言葉にどれくらいの確証があるのかはわからない。けど、人にものを教える立場にある人、直々ならば説得力は十分だ。
「……少し、不安ですけど。絶対に、私にできる限りはやってみます!」
「あぁ、儂の息子を頼んだ!」
こうして、権現坂が私に弟子入りしたのだったのだ。
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