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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第120話 朱い空の下で
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の涙じゃない。アスナはどこか、目に光が戻った様な気がしていた。
「りゅうき……りゅうき……くんッ!!」
レイナはそう叫びながら立ち上がると、反対方向、皆が向いていた反対の方に向かって走り出した。
「ッ! レイ!」
「おいっ!何処に行くんだ!」
アスナとキリトも何処までも続くかのような水晶板の上を飛び出したレイナの方へと走っていった。
なぜ、彼女が走っていったかがわからないからだ。この場所がどういう場所かはっきりわからない以上、今動くのが安全とはいえない。だから、2人はレイナを追って走った。
――……一体どれだけ3人で走っただろう?
この美しい夕日の中を……。
それは、どこまでも続くかのようなその透明の板の上……。走り続けていた時だ。
微かなものだったけれど、レイナは聞こえてきた。はっきりと。それは、レイナを追っていた二人にも声が聞こえて来た。
――あなたを見ている、世界中の誰よりも。
あなただけを見つめてる、世界中の誰よりも。
心の安らぎ それはあなたが傍にいてくれたから。
いつも……いつも傍に、いてくれたから。
いつか また会える そんな未来を見つめて。
……そんな描いた未来を夢見て。
さあ 歩き出そう。
怖がる事なんか無い。
きっと………きっと………その先で……
……また 会えるから。
――……聞こえてきた……。聞こえてきたんだ……。
レイナは確信した。
この声の主が誰なのか、この声の、心に響くような歌を歌っているのは誰なのかを。
走り出して、漸く姿を見た。それは、この水晶板の端に座っていた人影。
「……リュウキ君っ!!!!!」
視界に入り、そしてレイナは一気に距離をつめ、飛びついた。世界を眺めながら歌を詠っているその人の背中目掛けて。自分を愛してくれて、キリト君も助けてくれて、最強の魔王を打ち破ってくれた最愛の人。 現実の光を、くれた人。
「……レイ……な?」
背中越しにその抱きしめられた手を取りながら……そう呟く。
そう、レイナは正しかった。この歌を歌っていたのは。……彼女が飛びついた相手は。
彼女が愛する人
(
リュウキ
)
、だった。
「そう……そうだよっ! レイナ……レイナだよ。リュウキ君っ……」
レイナは、リュウキに言い聞かせるように答えると、ぐっと抱きしめる力を強めた。だけど、まだリュウキは信じられない。その温もりは嘘じ
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