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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第120話 朱い空の下で
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……嘘を言うような男では無いから。信じられる……信じられるから。だからこそ、レイナの表情はどんどん明るくなっていた。
再び涙を何度も何度も拭って……。そして、両手でしっかりリュウキを抱きしめた。
そして、時間にしてどれくらいたっただろう?まだ、その時は訪れなかった。
まだ残されているこの空間、この時間。
この瞬間を大切にしたかった。だから、他愛も無いことを4人はしていた……。この世界で生まれた思い出話。
世界が崩れていくのは、寂しかったけど、その破片のひとつひとつが、思い出を呼び起こしてくれていたんだ。
そして……。
「っ……そうだ……」
レイナは……、何かを思い出したかの様に、リュウキの目を見た。
「リュウキくんの本名……、教えて……。本当の名前……。皆で帰ってこられるなら……きっと向こうで、探すから……。あなたの事を……きっと見つけて見せるからっ!」
レイナは、まだ、少し出ている涙拭いながらそう聞く。大好きな人の名前を、心に深く刻み付ける為に。そして、必ず見つける為に。
「本名………か」
リュウキは、少し戸惑った表情をする……が。直ぐに笑顔になった。
「そう……そうだな。オレの名は
竜崎
(
りゅうざき
)
。……《
竜崎
(
りゅうざき
)
隼人
(
はやと
)
》。アインクラッドの月日が現実世界と変わらない、一緒だとしたら、今は15歳。……後2ヶ月で16歳かな……」
リュウキ……、隼人はそう言い笑う。
本名を答えたのは……きっと彼女達が始めてだ。使った名前なんて、
竜崎
(
りゅうざき
)
の《ざ》をとっただけの簡易ハングルネームであるRyukiの方が長いから。
「りゅうざき、はやとくん……はやとくん…………」
レイナは愛しそうにその名を目を瞑り胸元で手を握りながら呟く。
頭に……心に刻み付けるように。決して忘れないように。そして、再び目を開いて。
「あはっ……思ったとおりだよ。私達、同い歳だったね……。私は
玲奈
(
れいな
)
。《
結城
(
ゆうき
)
玲奈
(
れいな
)
》 後1ヶ月で 16歳です」
その笑顔に答えるようにそう返した。さっきまでの悲痛な表情はもう消え失せていた。それを聞いた2人も続く。
「……オレの名は
桐ヶ谷
(
きりがや
)
……《
桐ヶ谷
(
きりがや
)
和人
(
かずと
)
》。 オレもリュウキ……隼人と玲奈の同学年だな。16歳だ。」
キリトは2人に言いつつ、最後はアスナの方を見てそう言った。キリトはリュウキの事はその容姿から歳下かと思っていた。……、でも頭も切れるし、言葉には説得力もあるから真には解らなかった。……でも鈍感、それを考えるとやっぱり幼さも感じる。
その真実は同い歳だったようだ。
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