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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第119話 光速の交響曲
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そう、はっきりと判った。
「キリト君っ! きりとくんっっ!!! きりとくぅぅぅんっ!!!」
この間もアスナは……ただただ叫び続けた。ここが、もし現実だったとしたら……おそらくは、血反吐がでて 喉がつぶれるかもしれないだろう。……其れ程までに、アスナは叫び続けた。
「……お姉ちゃん……大丈夫、だいじょうぶだから……」
アスナの叫び声が響く中。
そんな姉の方を見て……レイナはそう静かに言っていた。
「えっ……?」
アスナは、まだ取り乱してはいて、叫び続けていたが、聞こえた。決して、大きくなく囁くような声の筈なのに、聞こえてきた。それは、憔悴しきっていたレイナが自分を落ち着かせようとした声だった。……その事に驚いたようだ。
そしてレイナの顔を見て少しずつ、正気をとりもどし始めた。
「だって……あそこにいるのは、キリト君だけじゃない……、この世界で、いくつもの伝説を作った、最も強い2人が支えあっているんだよ……? 2人で、……タッグを組んでいるんだよ……? 誰にも……誰にも……負けないからっ……!!」
レイナは、まだ涙を流していたが……、強くそう言いきっていた。間違いなく、あそこにいる。あの人が、来ていると。
あの人が……来てくれたんだと。
「うおああああああああああああああっ!!!!」
キリトのHPゲージが残り1割未満、もう数ドット。
その点、ヒースクリフのHPバーは2割、HPの差は無いのだが、ヒースクリフの方はまるで減っていない。キリトは初めこそ5割を越えたHPだった筈なのに、確実に減らしている。
このままだと もはや、逆転は無いと思える。
「拍子抜け……だな、キリト君。ここまで来れば、もう……次はさっきの様な事は無いだろう」
ヒースクリフは戦いながらそう囁く。そのキリトの反応の速さゆえに、即座にHPを削りきってしまう一撃は放てないが、その命はもう直ぐ消えるのだと核心いった。この目の前の男の実力は、所詮はそんなものなのだと。幾ら技術が素晴らしくても、人間であれば誰しもが同じだと。
そして、再びキリトに一撃を刻もうとしたその時だ。
「うおおおおおおおおおおおあああああああああああああああ!!!!!!!!」
叫び声と共にキリトの身体がブレたのだ。
この予備動作は……。
「なっ……馬鹿な……!」
ヒースクリフは、再び驚く。キリトの身体がブレたのは問題ない。それは、とある技に入る前の現象なのだから。あまりの技の速度ゆえに、そう見えてしまう為。……驚いたのは、この攻撃手段を選んだこと。
それは、数分前に放ったもの。
“二刀流最上位剣技” ≪ジ・イクリプス≫
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