暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第119話 光速の交響曲
[2/8]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
数倍異常なのだが、大技の終了後には隙が生ずる。キリトの27連撃の最後の一閃まで把握しているヒースクリフは笑みを零しながら確実に捌き。
そして技の終了の瞬間の技後硬直。
「さらばだ―――キリト君」
動きが止まったキリトの頭上にヒースクリフの長剣が高々と突き上げられた。だが、キリトは まだまだ狂気の目を崩してはいない。それは、今の状況を把握すら出来ていないようだった。
これから、自分がどうなってしまうのかを。
――……自分が愛する人を残して逝ってしまうのも、
――……親友の仇を討てず逝ってしまうのも……解っていなかった。
ただ、ヒースクリフに向かって憎悪を、殺意を飛ばすのはやめなかった。
「ふっ……」
ヒースクリフはその負の感情を一笑する。そのキリトの怨念の数倍もの憎悪をこの男は受け入れ続けている。だからその程度で、躊躇う事も、怖気付く事もなかった。
それを見たアスナは、絶句してしまう。
あの極限とも言える速度の中でもはっきりと見えてしまった。ヒースクリフの狙いを全て……理解して。もう一呼吸するまもなく、キリトは、……キリトは斬られてしまうだろう。
あの神の剣……魔王の剣に。
(そんな……そんなっ……! 嫌だ……嫌だよっ!!)
アスナは、震えた。
もう数秒も無い時間なのに、異常なまでに遅く、スローに感じられる。リュウキに続いてキリトまで失ってしまうのかと。
「お願いッ! 誰か助けてっ!!!!!」
アスナはその瞬間叫んでいた。
「…………」
レイナも、そのアスナの悲痛な叫びを聞いて……、涙も乾かず、虚ろな目のままに2人の方を見た。ヒースクリフが剣を振り下ろすその刹那の時。……無情にもキリト目掛けて剣が振り下ろされた所を。
その瞬間。
誰しもが思いがけない事が起きた。キリトに向かって振り下ろされていたヒースクリフの剣が当たる直前で止まったのだ。
いや、思いがけもしない事ではない。誰も起こったことすら、判らない。
――……世界が、止まったのだから。
「っ……!」
この時、キリトは正気に戻ることが出来た。不可思議なこの状況で。……ほんの一寸先にあの剣が迫っていたのだから。
自分が殺されかけているのにも気がついた。
そして、怒りに囚われてしまった事も。
――……キリトは止まった剣を見て息を呑む。
そんな時だった。
『まったく……何やってるんだよ………』
ふぅ……っ、とため息と共に声が漏れてくる。
それは、聞き覚えのある……声。……有り得ない声。
――――……ま、まさかっ!
キリトは振り返ろうとしたが……
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ