暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第119話 光速の交響曲
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狂気から始まったと言える戦い。

≪キリト vs ヒースクリフ≫

 その両雄の戦いは拮抗しているかのように見えていた。

 ヒースクリフ自身にもダメージは当然残っている。 
 《リレイズ》は命を、魂を戻す効果を持つ神聖剣独自のスキル。だが、それはHPの全てを回復させるわけではない。現にヒースクリフのHPゲージは2割程度有るか無いかだった。
 そして盾は、リュウキの一撃で致命的なダメージがある。以前ほどの強力無比、堅牢な防御力じゃないのだ。

 だが……キリトの現在の状況……それはヒースクリフのそれよりも、もっと深刻だった。

 暴走したまるで獣の様な相手ならばヒースクリフにとって特に問題ない。普段のキリトならば、或いは勝機が無かったと思える程、危なかったのかもしれないが。

「……残念だよキリト君」

 ヒースクリフはそう返すと、キリトの二刀流を全て、剣と盾で捌ききる。

 キリトの一撃一撃は、まさに閃光だと思える程の速度だ。その凄まじい速度だが、それはあくまでシステム上のスキルの動きだ。あのリュウキの様に 逸脱した訳ではない。

 全てを把握しているヒースクリフにはそれを回避するのは造作もない事であり、テレフォンパンチの連続の様なものだ。それも、暴走している相手。……パターン化されている、一定のアルゴリズムを与えられているMobを相手にするようなもの。

 それも、SAOを創造した男に、その行為は愚行であり、そして致命的なのだ。

「うおあああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 キリトは感情のままに、刃をヒースクリフに向かって放ち続けた。攻撃が通っていない、そんな事はまるで考えず剣をふるい続ける。……怒りを、自己満足がゆくままに、ぶつけるだけだった。

 そして、最大限に溜めた憤怒、それをキリトは二刀に込め、そのまま二刀流の最上位のスキルを発動させた。


 “二刀流最上位スキル” 《ジ・イクリプス》


 それは、連続27回に及ぶ剣撃。この世界に置いて、最大最速の剣技。
 太陽のコロナを彷彿させる全方位への超高速の剣尖だ。初見であれば、その圧倒的な物量、そして速度だけでも終わりの様なモノだが。

「……最も愚かな選択をしたものだな、キリト君」

 ヒースクリフは、ため息をもう一つしながら、楽にその超高速の攻撃を裁いていた先ほどの攻撃よりは、幾分か難しい。いかに暴走した剣撃であったとしても、その最上位スキルである《ジ・イクリプス》の速度は驚嘆のものなのだ。……防ぐ事は楽にできたとしても、攻撃に転ずることが思いのほか難しい……いや、不可能な程に。

 だが……。

 暴走したままの状態であろうことか、最上位の剣技を使ったのだ。
 あれは、威力が通常の
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