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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第118話 愛してくれて ありがとう
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。
「さて……私は紅玉宮で待つとするよ。ああ、その麻痺は後10分程度で回復するから、安心し給え。……また会おう。攻略組の諸君」
ヒースクリフは、マントを翻し、麻痺作用で殆ど動けない攻略組のメンバーを後にする……が。
「まてよ……」
誰もが立ち上がれない空間の中で、1人の男が立ち上がった。その声は黒く塗りつぶされそうな声。自分の何処にこんな声があったのかと思えるほど、重く黒い声だ。
「……ほう?」
ヒースクリフは歩みを止め、振り返った。立ち上がっていたのは……。
「……やはり、キリト君、君か。誰かが何かを起こし得る十分すぎる状況だったから、何かを期待もしたのだが……予想通りだったな」
黒の剣士。
二刀流使いキリトだった。
その立ち上がったキリトを見て、ヒースクリフは更に面白いものを見たと言わんばかりに、手を広げた。
「リュウキ………ッ! リュウキッッ!!」
キリトは、視線を四散したリュウキの方に向けた。……そして、いろんな記憶が頭の中を巡る。
――……初めて会ったときの事。
『……誰だお前は?』
当時のリュウキは、本当に無愛想だった。再開した時、アバターが変わってなかったから、こっちは直ぐに判った。……自分も変えてないから、βテストの時には、共にBOSS攻略をした仲?だというのに、覚えていないような仕草だった。悔しくも思えていたが、それでも 強さは群を抜いていたから興味を強くもったんだった。
――……そして、二刀のスキルを見せた時の事。
『速度が尋常じゃないな……。オレもお前とデュエルするのは遠慮したい。想像以上に疲れそうだ。』
リュウキはそう言って笑っていた。
心に仮面をしていた男がその仮面を破った時に見せた歳相応のものの笑顔。それを見るのは……なんだろう?……好きだったって思えた。変な意味では決してないが、この素顔のリュウキが一番いいと思ったのだ。
……おそらく、アスナやレイナ……リュウキを知るメンバーは皆同じ意見だろう。
その男
(
リュウキ
)
を……。
この男
(
ヒースクリフ
)
は……。
――……卑怯な手は使ってない?
神の権利を存分に使い1つしかないはずの命を2つに変えた事のどこが卑怯じゃないのか!
――……リュウキと同じ?
断じて違う……!
あの男は、皆を守る為に、……最愛の人を守る為に、自分を削って、極限まで削って戦ったんだ。左手の操作1つで全てを操れるお前とはまるで違う!
様々な想いを張り巡らせながら、キリトは鋭い眼光でヒースクリフを睨みつけた。
「このまま……ただで帰すと思ってい
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