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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第118話 愛してくれて ありがとう
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自分を救ってくれた愛する人に、自分の残された時間の全てを捧げたかった。そして、何よりも穏やかな表情で、安心させてあげたかった。
「りゅう……き……くん……?」
レイナは、まだ 受け入れられない。
目の前で起こっているその悪夢が現実のものであると、理解する事ができない。今確実に存在している愛しい人がもう数秒後には。……愛しい人の身体が、魂が、四散してしまうなんて……。
そんな事、考えられなかった。
……だけど、リュウキは続けた。この時の彼は、本当に辛そうな顔をしていた。だけど、それは死ぬ事を畏れていたり、受けた一撃に苦しんでいたり、そんな表情じゃない。
「オレが……還してあげるって、きっとあの世界へ還してあげるって言ったのに……はは。……勇者なんて、きっと、そんなガラじゃないんだな……」
ただただ、レイナに対する事、それだけだった。
そして、リュウキはまるで最後の力を振り絞る様に、手を伸ばし、そしてレイナの頭を、頬を、一撫でする。
そして、表情が再び変わった。いや、戻った、と言えるだろう。いつも、レイナを、彼女を見ているその表情。
本当に変わらない表情。穏やかで、愛しい顔で。
「……オレの事、……今まで、愛してくれて、ありがとう。……レイ、ナ。」
リュウキは、麻痺で動けずにいるレイナをぎゅ……っと抱きしめた。
その感触を忘れないように、最後の最後まで、忘れない様に、強く……強く……。
「そんな………やだ……やだよぉぉ……りゅうっ………」
レイナは涙で……、目の前が見えなかった。リュウキの顔が見れない。大好きな人の顔が、視界がぼやけてしまって見えない。それは、認めたくないからこそ、彼女自身の拒絶反応だったのかもしれない。
そして、身体も動かない。
そして、今 最も動いて欲しいときなのに、それなのに動けないのだ。
「キリト……」
リュウキは、まだ確かにそこに存在している。
なぜ……彼が致死的なダメージを受けて、まだHPがつきないのか。それは、わからない。ヒースクリフにでさえわからない。
もう消滅してもおかしくなかったが、彼はまだ、確かにこの世界に存在していた。
――……本当に最後の最後で……人間の持つ意思がシステムに、絶対的な死を抗ったと言うのだろうか……?
ヒースクリフは、この時ばかりは、口を挟まずに 彼らを見ていた。
「リュウ……キ……」
キリトも、理解していた筈なのに、いや理解できたからこそ、……表情が歪むのを止められなかった。
あの時……目の前で失った仲間。その時のことが脳裏に過ぎる。あの時は、この目の前の男が自分
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