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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
24.つまり私の使命とは
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アイズも迫力にちょっと引くくらい、二人の表情は鬼気迫っていた。それだけ、二人はこの話に命を懸けているのだ。
 二人の様子を見たエアリーは、ふぅ、と小さな溜息をつく。

「なんだかなぁ……ちょっと出来過ぎてるよね、この状況」
「ど、どういうこと!?」
「ティズ、実は今まで言ってなかったんだけどね?オラリオの地下には、今でこそダンジョンになってるけど昔は根源結晶の安置場所だったの」
「え……!?それじゃ、クリスタルはもうダンジョンに呑まれて……?」

 まさか、既にクリスタルは失われているのでは――最悪の予想が頭をよぎる。
 だがエアリーはそれを否定した。

「ううん、今も多分ダンジョンに取り込まれる形でクリスタルは存在している。力の流れを感じるの。そして、世界の化身とも言える根源結晶の聖なる祈りの力を一気に解放すれば……大穴の邪悪な力も消し飛ばせる筈!なのよ!」

 4つの大クリスタルの祈りの力もまた、根源結晶に流れ込んでいる。そこに込められた力は、間違いなく4大クリスタルを凌駕する。まさに世界を変える力と呼ぶにふさわしい。

「やり方は分かった。でも、祈りの解放ってどうやるんだい?」
「祈祷による解放――つまり、クリスタルの巫女による祈りによって根源結晶に巫女たちが蓄えてきた力を一気に解き放つことが出来る。そのために巫女の協力者が必要だったんだけど……」

 その目線は、風の巫女アニエスの方へ。

「まさかエアリーの契約者だけでなく巫女までこんなに早く見つけられるなんて、上手く行きすぎて怖いわ……」

 ここで幸運使い果たしていませんように、などと祈っている精霊を前に、ティズとアニエスは顔を見合わせる。話を要約すると、こうだ。

「つまり僕たちは、これからダンジョンに潜ってその根源結晶を見つけなきゃいけないと?」
「そして、その場には巫女である私も行かなければいけない?」
「付け加えるなら、現役で冒険中のファミリア達に先んじて発見することが好ましい……のかな?」
「そうね。現状、いつ他の神に見つかってもおかしくないもの」

 暫く顔を見合わせた二人が口にした言葉は――

「ちょ、ちょっと待ってくれエアリー!こんな華奢な女の子をそんな危ない所に連れて行くなんて危なくて出来ないよ!!」
「ま、待って下さいエアリー!話を聞く限りではティズは何の関係もないではないですか!こんな危険な事に無関係な人を巻き込むのは……!」

 奇しくも、二人の思いやり……もとい対立を決定付けることとなった。
 
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