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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
24.つまり私の使命とは
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を消し去ること。
 そしてもう一つが、ノルエンデ村の復興。
 王には一つ目は言っていないが、二つともティズの悲願であることに変わりはない。
 大穴を消し去る冒険を達成するのに王国の力は借りられない。しかし、村の復興に王国の全面協力は外せないことだった。
 ――復興が完了したら、王様に改めて感謝しよう。
 そう、心に決めた。



 = =



「………というわけで、僕は今日から『ノルエンデ村復興計画代表』に着任しました!……とはいっても、今は復興の為の人員を集めなければいけないから名ばかりですけど。つきましては、人員募集のためにオラリオに復興支部を置いて人を募集することになりました」
「なるほど……急にオラリオに連れてってくれとか言い出すから何事かと思ったら、そういうことかいな」
 
 旅支度を整えてやってきたティズに何事かとざわついたロキ・ファミリアだったが、いち早く状況を理解したのは主神ロキだった。

「あの王も中々イキなことするやないか……まさかオラリオでスカウトさせるとはなぁ」

 一見して無理のありそうな内容だが、オラリオに他国の人間がスカウト等に訪れるのは決して珍しいことではない。腕に覚えのある冒険者や、道具作りや薬物調合を学んだ者はオラリオの外ではなかなか得られない貴重な人材でもある。
 ファミリア同士の競争率が高いオラリオにあっては、様々な理由でフリーになったり行き場を失う冒険者、あるいは冒険者として上手く行かずに燻る人材は多くいるものだ。中にはオラリオ内で生きていくことに不安を感じる人もいる。ティズはそんな人をスカウトして復興計画に参加させていこうというのだ。

 計画参加者はカルディスラ王国の名の下に衣食住を保証され、村の完成に貢献した者や入村希望者には国籍をも用意する。治安が良くて移住者に寛容なカルディスラなら計画内容も信用に値するし、待遇としてはかなり好条件に分類される。
 流石に前科者や乱暴者となるとその限りではないが、その辺はギルドと連携して上手くチェックすることになっているようだ。そのための書類や証明書なども含め、考え無しの計画ではない。

「ところでこの計画……ファミリアの参加も可能なんか?」
「ファミリアの参加、ですか?いえ、そういうのは全然……そもそも冒険者の人達は参加できないんじゃ?」
「計画そのものには参加できひんでも、オラリオ内でのスカウト活動を手伝ったり人材の仲介をしてくれるファミリアは考えてもエエと思うで?パンフとかを置いてもらう代わりに予算から礼金をあげるとかな。ただ、反結晶派の連中の勢力争いに巻き込まれるんも面倒やから出来るだけ勢力のちっちゃいファミリアを相手にした方が……」
「オラリオには旅行客も多いから、宿なんかおさえておいた方がいいんじゃない?
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