怪物祭、当日
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ヴァに両手を拘束され、引っ張られた。
「う、うん」
それになさられるがままにされながら、デイドラはこちらに手を振るノエルを見ていた。
「じゃあ、先に行ってくる」
そのノエルにデイドラはぎこちない笑みを返す。
ぎこちないのはリズとミネロヴァに密着されているからだろうと思ったノエルはそんなデイドラに微苦笑を送って
「ああ、待っていてくれ」
と言った。
◆
「す、すごい」
デイドラは中央広場から東のメインストリートに入る入口で呆然としていた。
円形闘技場に向かう東のメインストリートはデイドラが見たことないほどに人で溢れていて、露店の店員やらの掛け声や怪物祭に胸を馳せる人々のざわめきが音の瀑布となって彼に押し寄せていた。
「こんなことで驚いていたらダメだよっ、デイドラ」
「いいじゃない、初めてなのよ。それに驚いている顔なんてそうそう見れるものじゃないわよ」
と言うのは、デイドラの両手にしがみついているリズと絡み付いているミネロヴァだ。
小さな膨らみを左腕に特大の膨らみを右側頭部に押し付けられていたが、かなり広いメインストリートが見たこともない人や亜人でごった返している光景にデイドラはそれどころではなかった。
「ていうか、早く行こっ、もう始まるよ」
「うん、わかった」
デイドラは未だ驚いていてリズの声に生返事をすると、リズとミネロヴァに引っ張られるようにして、東のメインストリートに向かっていった。
これから何が起こるとも知らずに。
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