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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
怪物祭、当日
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うにして驚いた。
 デイドラは全く気付いていなかったが、ノエルとリズ、ミネロヴァが三人で話し合っていて、少しもかからずその話し合いが終わると、ずっと黙り込んでいるデイドラをノエルが不審に思って声をかけたのだが、全く反応しなかったのだ。
 そのためノエルがデイドラの顔を覗き込んだのだ。

 「だ、大丈夫っ。少し、考え事していただけ」
 「えー、誰のことを考えていたの〜?」
 「あら、私のことかしら?」

 そして、デイドラの返事をどう勘違いしたのか、リズとミネロヴァが図々しくデイドラとノエルの間に割り込み、更に顔を寄せてくる。

 「お前達、デイドラをあまりからかうな」

 その二人にノエルが後ろから言う。

 「からかったりしていませんよ〜」
 「私もそうよ」
 「ミネロヴァさんはからっているでしょっ」
 「いいじゃない、可愛いんだから」
 「………………」
 「だから、からかうなと言っているだろう」

 面と向かって可愛いと言われ、デイドラが一瞬で赤くさせた顔を俯かせたのを見兼ねてノエルが割って入る。

 「それより、デイドラ、リズとミネロヴァと円形闘技場(アンフィテアトルム)に先に行っていてくれないか?」
 「アンフィ…………?」
 「アンフィテアトルムよ。怪物祭の会場ね」

 円形闘技場を知らなかったデイドラにミネロヴァが我先に教えてやる。

 「えっ、ノエルはどうするの?」
 「私はここでテュールを待つ。だから、お前は先に行って待っていてくれ」
 「えっ、それなら俺も――」
 「いや、いい」

 まるでデイドラが自分も残ると言うとわかっていたようにノエルは彼の言葉を遮った。
 そのノエルの口元には深い笑みが浮かんでいた。

 「デイドラは怪物祭を見るのは初めてだろう。それならなるべく全部見た方がいい」
 「……うん、わかった」

 デイドラは、誰も気付かないぐらいに一瞬硬直してから、笑みを浮かべて答える。
 硬直する一瞬前に、不意に、本当に不意に、笑みを浮かべるノエルの姿が、姉に見えたのだ。

 「そうか。あんなに楽しみにしていたテュールのことだからきっとすぐに来るだろう」

 ノエルはそのデイドラに家族に向けるようなそんな愛で満たされた笑みを浮かべる。
 それに再びデイドラはノエルの姿に何年も見てきた姉が笑みを浮かべた姿が重なる。

 ――何を勘違いしているの?私はデイドラが見捨てて死んだんじゃない――

 そのデイドラの耳に昨夜のような生々しい――姉の声が響く。
 その声に絶句する間もなく、誰にも不審に思われる間もなく、

 「そういうことだから、早く行こっ、デイドラっ!」
 「そうね、あのロリ神だったらすぐに来るわ」

 リズとミネロ
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