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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第117話 ラストバトル
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売特許じゃない。それはリュウキの双斬剣もそうだった。
盾に当てていた方の刃を引くと、もう片方の刃でヒースクリフの剣を弾く。その攻防は暫く続いた。刃が両傍にある剣。
巧みに使い分ける事で矛にも盾にもなる武器なのだ。
数合打ち合いが続く。
時間にしてそれは数分だが、かなりの濃密された時間だ。見守っていた周囲のメンバーからすれば、それは更に長く感じるだろう。そんな死闘の最中、茅場は疑問を口にしていた。
「……この世界では 10種類ユニークスキルがあるのだが……、君のその双斬剣は私はデザインした覚えがないのだがな……」
剣を構えながら茅場はリュウキにそう言う。
戦いの最中、敵に話しかけるなど余裕の現われか?とも思えるが、純粋に戦いを楽しみ、かつ疑問を口にするなど、大した精神力だとも感じた。いや、目の前の男は、3000人以上の人間を死に追いやり、その怨念を平然と受け止めている。
最早、精神力が強いと言うレベルを遠に超えているだろう。
リュウキでさえ、人の命を奪ったと言う事実。それを、ずっと引きずっているんだ。どんな悪党の命とは言え、自分自身……拭う事の出来ないものを。
この目の前にいる男は……、それらを受け止め、平然としている。……そう言う怪物なのだ。だが、怪物はこちら側も同じ。
「……当たり前だろう。この武器は、オレ仕様……。現実世界で……信頼できる人が手を貸してくれたお陰で出来た謂わばオリジナル武器。……GM、管理者のお前でもわからない。……そして、これはお前でもわからない太刀筋だ。設計者の
有利性
(
アドバンテージ
)
は無い」
ペースに飲まれることなく、リュウキも平然と答えた。この、刹那の戦いにおいて、ここまでの精神力を見せられるリュウキも当然強靭な精神の持ち主である事は言うまでもない。
「……ほう、つまりはシステムを一部をのっとったと言うのか……?いや、その様な仕様はなかったと思うが……?」
茅場は不思議そうにそう言う。
世界をこれまで調節してきたのだ。勿論そういった事も確認しているし、カーディナルも機能している。綻び等、殆ど無いはずだった。……その言葉にリュウキは僅かながら首を振った。
「……大規模な事はできないさ。何せ、何1000人も人質にとられている様なものだ、それに目立つ事をし、バレて強制的にペナルティになっても困るからな」
それが一番の問題だった。ゲーム上のバグを潰すのも管理者側の仕事だ。
だからこそ、限りなく目立たぬ様に、そして、それでも限りなく早く、少しずつだが、干渉していったのだ。
「それで、この麻痺作用をも自力で直したか。これはGM権限の力。それを抗う術はこの私でさえ考えつかないと言うのにな」
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