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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第116話 運命の時へ……
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…話を元に戻すが、あの時のヒースクリフの表情は、何処か違った。単純に驚いている、と言うよりは、驚愕している。と言う感じに近い。
なぜ、そこまで驚く事がある?
なぜ、表情を変える程までに驚く?
そして、キリトの頭は通常よりも冴え、急速に機能した。
――……有り得ない武器に、リュウキの武器に驚いたのではないだろうか?自分が知りえない武器だから驚いたのではないだろうか?
――……あの男の今の表情は、慈しむ様な視線。だが、何処か違う。……何かが違う。
――……そう、言うならば精緻な檻の中で遊ぶ子ネズミの群れを見るかのような表情。
――……更に言えば、あれは傷ついた仲間達を労わる表情ではなく、遥か高みから慈愛を垂らしている。
《神》の表情だ。
「………」
キリトはゆっくりと身体を起こした。デュエルの際のあの恐るべき超反応。それは、人間の限界を超えているモノ。否……この世界での限界速度を超えていたのだ。
その壁を破れるとしたら?
それは1つしかない。
そして、彼の日頃についても違和感はまだまだある。最強のギルドの頂点でありながらも、自らは殆ど命令を発することなく、ほかのプレイヤーたちに万事を委ねた。
唯一、層の攻略……BOSS戦に置いてを除いて。ある意味ではBOSS戦以上に、消耗した笑う棺桶の事件でさえも、彼は何も言わずに全てを委ねていた。
その訳は、配下を信頼していたからではなく、一般プレイヤーには知りえない事を知ってるが故の自制。そして、
笑う棺桶
(
ラフコフ
)
の事件においては、あまりにも未知数な相手で、万が一にでも、自身の秘密がバレる可能性を回避したかったからではないか?
そう、自分とのデュエルの際、あの男が表情を変えたのはHPが半分を切りそうになった時だった。……リュウキも多くは語らなかったが、そう断言している。
「………」
キリトは再びヒースクリフのHPバーを確認した。もう、あとほんの少しで半分に、イエローに成る程の量。ほんの刹那の位置。……つまり、あの男は。
「……キリト、くん?」
アスナは、この時初めてキリトの様子が何処かおかしい事に気が付いていた。激戦のあとだったからと、想っていたのだが、何処か違う。そして、言葉が聞こえてきたような気がした。まるで、自分に謝っているかの様な、謝罪の言葉。
キリトは何も言っていないのに、何故か聞こえてきたのだ。
そして、その次の瞬間。
「っ!!」
キリトは、地面を蹴って飛び出していた。倒れているクラインを、エギルを越えて、レイナに支えられているリュウキを横切って。
あの男までの距離は、凡そ10m。
今から使う技は、片手直剣の|基
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