暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第116話 運命の時へ……
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ヤーが残っているとはいえ、攻略を目指しているプレイヤーは数百人程度しかいないのだ。……1層事にこれ程の犠牲者を出していれば……、全滅してもおかしくない。

 それに……。

「っ………ぁ………」

 何度も何度も、肩で息をし、震える膝を抑えている男がいた。それは、リュウキだった。これがゲームだとしたら、あのBOSS戦でのMVPは間違いなくヒースクリフを差し置いて、リュウキだろう。

 あの骸百足の行動時間を何度も削ぎ、且つ攻撃を加えていった。サポート面でも、攻撃面でも……。

 だが、これがあの武器使用の後遺症、とでも言うのだろうか?
 当然ながら、双斬剣と言うスキルはまだ、誰も知らない。情報屋(アルゴ)ですら、それは知らないだろう。

 それは、慣れない武器を使ったことへの精神的疲労なのか。

 レイナも、倒れ込んでいたけど、必死に身体を起こし、リュウキの身体をそっと抱きしめていた。……心なしか、少し落ち着く事が出来た様だが、それでも疲労感は誰よりもあるようだった。

 あのリュウキも……ここまで消耗しなければならなかった相手。そんな相手が後25もいる。……これ以上の相手がまだ25も。

「―――……っ」

――最後に残るのは1人かもしれない。

 キリトの頭の中にそれが過ぎった。そして、おそらくその場合、残るのはあの男、だろう。
部屋の中央に佇んでいる男。他の者たちが例外なく倒れ込んでいると言うのに背筋を伸ばして毅然と立つ男。

 ……ヒースクリフだ。

 無論、伝説の男も無傷ではなかった。
 彼のHPカーソルの残は、後6割程まで減少している。あの鎌の攻撃の大部分を1人で捌ききったのだから、数値的なダメージ溜まらずとも、精神的披露が溜まっても不思議ではない。

 なのに、あれは一体どう言う訳だろう?

 同じ様な逸話があるリュウキでさえ、地に伏し倒れかけている言うのに、なぜあの男はここまで出来る?これまでの経験から考えても、直接対決こそ無かったが、互角の技量だとキリトは想っていた。あのタフさは、同じ人間とは思えない。

 ……言うならば、精密機械。

 そのヒースクリフの表情も、あくまで穏やかだった。あれ程の戦闘を経たというのに全く表情を変えない。

 いや、確かあの男が表情を明らかに変えた事は確かあった。それは、リュウキが新しい武器を見せた時。

 勿論、あの場で見せられた皆は、驚きの表情を見せていた。当然だろう、この土壇場の状況で、今まで愛用していた剣を使うのではなく、新武器を使用するのだから。幾ら、練習をしていたって、BOSS相手にいきなり使うのか……とも思えたが、キリト自身も初披露が74層のBOSS戦だったから、それは不思議じゃないか、と納得していた。

 …
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