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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第116話 運命の時へ……
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…、否 みせていなかった相手の武器。頭蓋の両脇から鎌状に尖った2本の腕を視て身体が震えた。
――……攻撃力が、異常値を示している。
それは、75と言う数字がクォーターポイントだと言う事を差し引いたとしても高すぎる設定。
安全マージンは+10とされていた、そして、そのフロアのBOSSを相手にするとしたら、更に+10程が目安だった。……だが、アレを相手にするには10では少なすぎる。
「こっちだ!! 急げ!!」
キリトは、慌てて放心している男達に叫び、呼んだ。まるで、百足のが身体にまとわりついているかの様な呪縛。それをキリトの一声で呪縛が解かれた。そして、3人は敵を見ずに、一気に走り出した。
「ダメだ!! 敵から視線を逸らすな!! 直撃を――っ」
続いてリュウキは、叫び声を上げた。あの鎌の直撃だけは受けてはならない。あれは、死そのものと言える。骸の刈り手が刈るのは、オレ達プレイヤーの魂。
刈る武器は、凶悪の二文字で出来ているかのようだった。
リュウキの声よりも、早くに始動したあの骸百足。……その鎌を横薙ぎに振り下ろしたのだ。
その鎌の大きさは3人を合わせても余りが出来る程の大きさ。3人が同時に、切り飛ばされ、胴体部に赤く太いラインを残した。……男達の断末魔と共に、みるみる内に減少していくHP。それは、5割を切り、黄色の注意域、そして2割を切り、赤の危険域。
……そして、いつ訊いても嫌な音。慣れない耳障りな音を放ちながら、その3つの身体は、魂は、青い硝子片となり、四散した。
「っ!? う、嘘……だろ……!?」
全員が唖然としたのは違いないだろう。正確に敵の攻撃力を見抜けたリュウキは、もう既にあの鎌を見た瞬間に唖然としていた。その理由を皆が判ったのだ。
『一撃で、死亡した』
スキル・レベル制併用のこの世界では、レベルの上昇に伴い、HPの最大値も勿論上昇していく。だからこそ、幾らアクションプレイが苦手、技能が今ひとつとしても、数値的にレベルが高ければ、それだけで死ににくくなるのだ。今日のパーティは、高レベルプレイヤーだけが集まっている、そして、更に装備している防具も、プレイヤーメイドで現時点で手に入れられる最高級の物を装備しているのだ。……例え、BOSSの一撃でも、数発の連続技なら持ちこたえられる、筈だったのに。
「こ、こんな……っ、こんなのって……」
「無茶苦茶だわ……」
掠れた声で、呟くアスナとレイナ。彼女たちも歴戦の猛者の1人。これまでの様々な死線をくぐり抜けてきた身だ。それでも、異常過ぎる光景だったのだ。
「まともに近づく事も出来ねぇのか!!」
エギルも冷や汗が止まらない。
あの骸百足のたった一撃でも受ければ、……死ぬ。
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