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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第114話 仮想世界の本物
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ものは皆、本物なんです」
ニシダずっと、話を聞いていた。そして、アスナを、レイナを、そしてリュウキとキリトを見て、何度も頷いていた。その眼鏡の奥で光るものがあった。
――……キリトも目頭が熱くなるのを必死に堪えていた。
生きる意味を、現実世界でもここ仮想世界でも見つけられなかった自分を救ってくれたのは、救われたのは自分なんだと、ずっと、ずっと思っていた。
――……リュウキも同じ想いだった。
……自分を心配してくれた。……こんな自分を助けてくれた。……闇を払ってくれた。
救われたと言う以外にどんな言葉があるだろうか。
2人の気持ちが伝わっていたのか。
アスナは、キリトの。
レイナは、リュウキの手をしっかりと握っていた。
ニシダは、深く頷き。
「……そうですなぁ、本当に、そうだ……。私は今の皆さんのお話を聞けたことだって、とても貴重な経験です。……私の方が人生、長く過ごしたと言うのに、沢山学ばさせてもらいました。……人生、捨てたもんじゃない。本当に捨てたもんじゃないです」
そして、最後にもう一度大きく頷くと、ニシダは立ち上がった。
「や、すっかり時間を取らせてしまいましたな。……私は確信しましたよ。あなたたちのような人が上で戦っている限り、そう遠くないうちに元の世界に戻れるだろうと。……私に出来ることは何もありませんが、……がんばってください。がんばってください」
ニシダは、何度も頭を下げた。
「また、またここに戻ってきますよ。その時は釣り、付き合ってください。出来ればご教授も願いたい」
「……そうだな、オレもまともに釣りをした事、無かったから」
「リュウキはダメだ」
「……なんでだよ」
「オレの方が、スキル上がってたとしても、……あっという間に抜かれる気がする」
「………はぁ?」
最後のやり取りを見て 少し、ぽかん、としていたニシダだったが、2人の関係を少し察して様だ。
「わ、は、は! その時はよろしくお願いしますぞ? お2人とも! ……キリトさんには、釣りのコツを、こそっと伝授致しましょう!」
「おお、それはありがたい」
「……同盟とはズルいな」
そんなやりとりが続いて、アスナとレイナにも笑顔を誘う。最後は笑って別れた。
……必ずまた会おうと約束をして。
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