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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第114話 仮想世界の本物
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「……心が挫けそうになった時に、私に優しさをくれた人、です。現実じゃない、ってずっと心で思ってた筈なのに。優しさに触れて……私もお姉ちゃんと向き合う勇気をくれたんです」
レイナは、リュウキの方を見て涙を見せた。
「そして、私の最愛の人。……最愛の人になる切っ掛けは半年前のことでした。最前線で迷宮区に出発しようと思ったら広場の芝生で昼寝をしてる人がいるんですよ?それも、彼も一緒にでした。2人ともレベルも高そうだし、リュウキ君には感謝してましたけど、この時 私は頭にきちゃって、言ったんです「攻略組の皆が必死に迷宮区に挑んでるのに、何でこんな所で昼寝なんかしてるのよ」って」
アスナは、片手を口に当てて笑っていた。レイナも、思い出しているかの様に目をつむって空を見上げた。
「そしてら、その人は『今日はアインクラッドで最高の季節、そしてさらに最高の気象設定だ。敏腕プレイヤーのお墨付き、こんな日に迷宮に潜っちゃもったいない』って言って、横の芝生を指して『お前も寝ていけ』なんて、失礼しちゃいますよね?」
笑いながらそう言うアスナ。キリトは黙って聞いていたがこの時は、『リュウキも言ったんじゃないか?』と一瞬頭によぎったが、口を閉じていた。
「あはは……、そして、隣の木の上で寝ていたのが彼でした。『百聞は一見、百見は一感』って言ってました。その言葉の意味を本当によく知れました」
「うん。……私達は、きっとその時に強く思ったんだと思います。この人たちはこの世界でちゃんといきてるんだ、って。現実の一日をなくすんじゃなくて、この世界で一日を積み重ねているんだって。……そんな人もいるんだって、思ったら私も一緒に横になってました。……その時、きっと多分この世界に来て初めて本当にぐっすり眠った、眠れたんです」
「……すまん、オレ、そんな深い意味でいったんじゃなくて、ただ昼寝したかっただけだと思うんだが……」
「ん、否定しないな、オレも」
「もう、判ってるわよ、言わなくていいの、そんなこと!」
「そうだよーっ! それでも、私達は救われたのっ」
アスナとレイナは口を尖らせる仕草をしたが、直ぐにニコニコとしながらニシダに向き直った。
「……少し、長くなりました。私が一番言いたい事は、皆に出会えたこと、……そして、キリト君が私にとってここで過ごした事、二年間の意味と言っても過言じゃないんです。私は、私達はここで、大切な人と出会う為に、あの日ナーヴギアを被ってここに来たんです。生意気な事かもしれませんが、ニシダさんがこの世界で手に入れたものだってきっとあるはずです。確かにここは仮想世界で目に見えるものはみんなデータ、偽物かもしれません。でも、学んだと思えた事、そして変われた事、救われた事。……私達の心は本物です。ここで得た
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