第4巻後編
@クルーズでの臨時バイト×銀行強盗犯瞬殺する俺
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していたようだったから、小型偵察機をシャルからラウラを映していた。ちょうど男性客三名のテーブルで注文を取っていた所だった。
「ねえ、君可愛いね。名前教えてよ」
「・・・・・」
「あのさ、お店何時に終わるの?一緒に遊びに・・・・」
ダンッ!と、テーブルに垂直に置かれたというより叩き付けられたコップが大きな音と一緒に滴を散らかしていた。面食らっている男共らを前に、ラウラはぞっとするほど冷たい声を発していた。
「水だ。飲め」
「こ、個性的だね。もっと君の事をよく知りたくなっ・・・・」
セリフの途中で、しかもオーダーを取る事なくラウラはテーブルを離れる。カウンターに着くなり何かを告げてから、少しして出されたドリンクを持って行った。確かまだ客からのオーダーをしていないはずだが、どうなる事やら。
「飲め」
「え、えっと、コーヒーを頼んだ覚えは・・・・」
「何だ。客ではないのなら出て行け」
「そ、そうじゃなくて、他のメニューを見たい訳でさ・・・・」
先程よりも多少優しめにカップをテーブルに置いたラウラ。まあソーサーが割れるのはダメなのだが、それでも多少は中のコーヒーが遠慮なく零れた。ラウラに好印象を持たれたいためか、それとも有無を言わせぬ態度に委縮しているのか、男共は言葉を探りながら会話を続ける。
実際女性優遇社会でこんな風に初対面の女子に声をかけられるというのは、勇者かバカの二択でしかない。ま、男達は後者だと思ったのか俺は笑いを堪えてクスクスしていた。
「た、例えば、コーヒーにしてもモカとかキリマンジャロとか・・・・」
「はっ。貴様ら凡人に違いが分かるとでも?」
「いや、その・・・・すみません・・・・」
言葉を遮るようにラウラは全く笑っていない目のまま、その顔に嘲笑を浮かべていた。ラウラの絶対零度の視線と許しのない嘲笑に折れて、男共は小さくなりながらコーヒーをすすっていた。
「飲んだら出て行け。邪魔だ」
「はい・・・・」
ドイツでは冷水と呼ばれたラウラであったが、単に俺以外の男性にはそういう一面を見せていた。今でも健在だったが、人を寄せ付けない態度で美少女の外見を伴えば魅力となるらしいな。店内の男性客はそのほとんどが自分達と同じように接客して欲しいとばかりに熱の籠った視線を送り続けた。
「あ、あの子、超いい・・・・」
「罵られたいっ、見下ろされたいっ、差別されたいぃっ!」
特別盛り上がっているテーブルは異様な興奮を見せていたが、他の客は無論スタッフや店長と俺もスルーしてやり過ごしていた。俺は爆笑していたが、ラウラの態度は客らにとってはキャラがいいのか。シャルとラウラのが、とても好評していたのだった。
「あ、あのっ、追加注文いいで
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