チェックメイト
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に向かって発砲してきた。
・・・映像は途絶えた。
他のカメラもすべて破壊された。
・・・完全に孤立状態だ。
この部屋など一部のものは予備電力で可動できるが、それももう限界だ。
下水道の門を開くぶんにも電力はとっておかなければならないし・・・。
完全に手詰まりだ。
ここで全軍突入でもされたら終わる。
「お姉ちゃん、私がいくらか片づけてくるよ!あの程度なら私一人で・・・」
「ダメ!いっちゃダメ!」
「なんで!?このままだと私たちもつかまっちゃうんだよ!?利英さまだってまだ帰ってきてないし、少しでも数を減らさないと・・・!」
「いいから・・・ここにいて・・・。今打開策を考えてるから・・・」
どうすればいい・・・。
屋敷内のカメラはもう機能しない。
塀の外のカメラも機能していないから突入のタイミングに合わせることもできない。
故にいくつか仕掛けておいたリモコン式の罠は無力化された。
あとは古典的なワイヤートラップなどだが、あの程度に引っかかるような相手でもないはず。
しかも、屋敷内のいたるところにガスがまかれている。
あれはおそらく制圧用のガスで、即効性の睡眠ガスなどだろう。
相手は防護服にガスマスク、それにサブマシンガンと完全装備だ。
対して、こちらは槍と護身用のナイフのみ。
分が悪すぎる・・・。
駄目だ、何も思いつかない・・・。
「ごめん・・・想夢・・・。お姉ちゃん・・・もう無理だよ・・・」
「・・・わかった。お姉ちゃん、私がそばにいるから安心してね・・・?」
どうせつかまるんだ。
それならば、短いときを最愛の妹と過ごすことにしよう。
幸い、ここに来るまでの時間はいくらか稼げるだろう。
・・・それまでに悔いが残らないようにしよう。
数十分後。
凛堂家の制圧は完全に完了した。
黒城姉妹は自決していた。
持上雪菜と上元京介はその光景にショックを受け、もうすべてがどうでもよくなったようだ。
凛堂利英は既に死んだ。
今頃は川底で惨めに転がっていることだろう。
万が一に生きていたとしてももうすべてが遅い。
これで、チェックメイトだ。
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