無限の狂気
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った。
部隊というと聞こえはいいが、所詮は寄せ集めの捨て駒兵ばかりの部隊だ。
すぐに死ぬことは明白だった。
だが、私は生き延びた。
そんな劣悪な状況でも生き延びた。
ときには仲間も殺した。
でも誰も咎めなかった。
みんな所詮は捨て駒だ、死ぬ時間が早まっただけ、ぐらいに思っていたのだろう。
また、ある晩レイプされそうにもなった。
当然殺した。
武器を奪い取って弾薬の補給をし、配布されていた数少ない食料も奪い取った。
正直ついていた。
そして、最後にはわずか五人しか残っていなかった。
最初は百人規模の部隊だったはずなのに、わずか五人だ。
ロクな装備も与えられずに食糧も数日分しかない、だから装備や食料はすべて現地調達するか、仲間から奪うしかなかった。
もっとも、同じ部隊にいるものを仲間と思っている奴なんてだれ一人いなかったが。
せいぜいが、肉盾、搾取すべき対象、人によっては襲い掛かってくる恐怖の存在、といったところだろうか。
流石にここまで生き残った精鋭だけあってわずか五人でも革命軍の大規模なキャンプを占拠することに成功した。
しかし、内三人は死んだ。
残ったのは私と|七志期 黄泉(ななしき よみ)という日本人女性だけだった。
ちょうど私が以前助けた少女と同じぐらいの年齢だろうか。
だが、あの時の無力な少女と違って、この人はもっと強かった。
そうして、徐々に戦争は終わっていった。
私たち傭兵部隊は当然のごとく見捨てられた。
平和な社会に私たちの居場所はない。
奪うべき食糧もなく、金を稼ぐ手段もない。
あるのは血に汚れたこの両腕と、戦争の狂気にあてられた頭だけだった。
「ねえ、仕事あるんだけど」
「そうなんですか?部隊長」
「・・・戦争はもう終わって私たち傭兵部隊は解散したのよ」
やはり、癖で七志期さんのことを部隊長と呼んでしまう。
一応この人は交友関係がかなり広く、戦争時にも食糧などで困ったことはなかった。
「あるお金持ちの家の用心棒だって」
用心棒・・・。
確かに戦争終わりということで金持ちの家は略奪対象になりやすい。
そういうことで、腕利きの用心棒をやとう家も多い。
「お待ちしていました」
と、立派な服を着た初老の男性が出迎えてくれる。
正直、挨拶なんて戦場式のものしか知らないからどうすればいいのかわからない。
とりあえず、向こうがしたことの真似をする。
「プッ・・・なにそれ・・・」
さて、部隊ちょ・・
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