予想外
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いけど、自分の力を盲信しすぎて無茶な行動に出ちゃったみたい。
まあ、ハウンド四人相手に生き延びたことと、私のことをあそこまで調べ上げたことは褒めてあげるけど。
それまでね。
冷たい。
たぶんここは川・・・だろうか。
まだ傷は治っていない。
多分医学的には私は死んだことになっているだろう。
だけど、お父さんたちの研究が私を救ってくれた。
「ぐ・・・いっつぅ・・・」
そのまま近くの下水道に逃げ込む。
くさくて最悪の環境だけど、まだ満足に動けないこの状況だと出て行ってもやられるのがオチだ。
刹那狂閃も回収しないといけないし。
とりあえずは、無事なことを紗由利に伝えて迎えに来てもらわないと。
「ああ、紗由利?私」
『あ、利英さま!』
「ん?想夢・・・?」
どうして想夢が紗由利の携帯に・・・?
・・・怪我でもしたか。
だが、多分死んでることはないだろう。
うまいこと生き延びてるはずだ。
『あのね・・・。お姉ちゃんが刺されて・・・怪我しちゃって・・・』
「わかったわ。とりあえず落ち着いて。上元と雪ちゃんはそっちにいる?」
『う・・・うん・・・いるよ・・・。今ついたところ・・・』
そうか。
しかし、紗由利が動けないとなると迎えに来るのは厳しそうだ。
想夢なら単身で乗り込んできても大丈夫そうだが、今の私では足を引っ張ってしまうだろう。
「なら、少し時間がかかるかもしれないけど私もそっちに向かうわ。今平道川の下水道にいるんだけど、そこから私の家まで行ける?」
『うーんと・・・たしか家の地下に下水道と直結してる脱出ルートがあったはずだからそこに出れるはず。待ってて、今地図転送するから』
「うん、ありがとう。・・・大丈夫。今日は絶対にみんな生き残るわ。だから心配しないで、冷静に対処して?今はあなたが一番頼りになる存在なんだから」
『うん・・・わかってる・・・』
「そう、いい子ね。じゃ、きるわね」
想夢は甘えん坊だ。
だが、そろそろ自立してもらわなければ困る。
紗由利も想夢もいつまでも私のそばに置いておくのはかわいそうだ。
・・・雪ちゃんが無事幸せを掴めたら二人とも好きなことをさせてあげよう。
私もその時はもっと別の未来を探してみるのもいいかもしれない。
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