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零から始める恋の方法
おかしなこと
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英さんのことなんですけど・・・。今日何か不機嫌みたいで・・・。しかもいつもの利英さんと何か違う感じがするんです・・・。雰囲気というか・・・なんというか・・・」


 『・・・』


 「あの・・・紗由利さん・・・?」


 『・・・雪菜さん、貴方には知らなくてもいいことです。では、失礼します』


 「え・・・?それはどういう・・・紗由利さん!?・・・切れちゃいました」


 一方的に電話を切られた。
 ・・・なんか今日はみんな変だ。
 必要以上に私に隠し事をしている。
 そんなに大事なことなんだろうか?


 「おい、持上どうしたんだ?」


 「雪菜ちゃんが大声出すなんて珍しいねー。俺、初めて見たかもしれないよ」


 「あ・・・央山先輩に上元先輩、こんにちは」


 私が電話で柄にもなく大声を出していたので心配してきてくれたらしい。
 一応事の次第を伝えると央山先輩が答えてくれた。


 「俺の経験からするとだね・・・」


 「お前こんな経験あるのか?」


 「いや全然」


 うぅ・・・。
 なんか少し頼りない・・・。


 「まあ、でも大方のことは分かるよ。多分利英ちゃんたちは雪ちゃんにサプライズパーティをしたいんじゃないかな?」


 「サ・・・サプライズパーティですか・・・。でもなんで・・・」


 「そりゃあ、誕生日とかが近いからじゃないか?」


 確かに私の誕生日は8月26日であと一か月ほどだが・・・。
 ふつうこんなに早くから準備するだろうか・・・。


 ・・・でも、利英さんならありそう。
 だけど、それだと紗宮先輩を無視したこととは・・・。


 「じゃ・・・じゃあ、なんで利英さんは紗宮先輩を無視するような真似をしたんでしょうか・・・。あれはまるで心の底からかかわりたくない、という感じでした・・・」


 「うーん・・・そればっかりは流石の俺でもねえ・・・。でも、利英ちゃんのことだからそんな嫌悪するようなことはないとは思うんだけど・・・」


 「こればっかりは本人に聞くしかないよな。ま、いずれ話してくれるさ。なにも無理に聞くことはない。誰だって話したくないことの一つや二つあるからな」


 確かにそうですよね・・・。
 利英さんがそんな冷たい人なわけないですし、人の話したくないことを強引に詮索するのもいけないことですよね・・・。
 私はこの時からこのことについてこれ以上考えることはやめた。
 ただ、利英さんは昼休みに一度も教室に現れず、当然私が作ったお弁当も食べてくれなかった。



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