第二十六話 日高中佐!作者はお茶が好きだ!!その十二
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「何を考えている」
「何も考えてねえよ」
「一切な」
二人は伯爵の目を見て堂々と嘘を言った、これが出来れば本物の嘘吐きだ。
「森羅万象に誓って言うぜ」
「あらゆる神様仏様にな」
「この目を見るんだよ」
「俺達のこの目をな」
「そうか、二人共それぞれの目に文字が見えた」
その文字はというと。
「日本語の片仮名でウソ、とな」
「それが四つかよ」
「四つ並んでいるのかよ」
「それでどういうつもりだ」
「どういうつもりもコーヒーの粉宙に撒いたら駄目ってルールないだろ」
「それも一切な」
二人は居直った態度で伯爵に言い返した。
「そうだろ」
「ルール違反じゃないといいだろ」
「上にコーヒー粉撒いてもな」
「何ともないよな」
「それはそうだが」
しかしだ、伯爵は。
苦りに苦りきった顔でだ、二人にこう言った。
「君達は本当に屑だな」
「だから言ってるだろ、勝てばいいんだよ」
「勝った奴が正義なんだよ」
ここでも悪びれず言う二人だった。
「だから若しもだ」
「若しも俺達が今やったことに何かあってもな」
「ルール違反じゃないしな」
「何の問題もないだろ」
「それに勝った奴が正義」
「何処が悪いんだよ」
「これが屑の中の屑の中の屑か」
伯爵は実に忌々しげに言った。
「人はここまで卑怯卑劣になれるのか」
「へっ、何とでも言え」
「正義は絶対にかつんだからな」
「わかったらこのお茶当ててやるぜ」
「しっかりとな」
こう言ってだった、二人は。
そのお茶の柄を当てた、伯爵はその答えを聞いて言った。
「・・・・・・正解」
「ほら見ろ」
「俺達は正解だったぜ」
「じゃあ後はな」
「日帝衆の二人だな」
「では」
伯爵は瞬と日高に問うた。
「お二人のお茶の柄は」
「はい、それは」
「このお茶は」
二人はすぐに答えた、瞬は正解だったが。
日高の返答、それはというと。
「・・・・・・残念です」
「そうですか」
日高は項垂れ苦い悲しみを以て言った伯爵の言葉に応えた。
「わかりました」
「勝者、ジャスティスカイザー」
「ほれ見たか、俺達が勝っただろ」
「どうだ、凄いだろ」
「まあ今回も作戦勝ちだよ」
「正義ってのは頭なんだよ」
「今わかった」
伯爵は二人を仇、それも卑怯極まるやり方で自分の両親を惨殺したそれを見る目で二人を見つつそのうえで言った。
「あのコーヒーは鼻に訴えたものか」
「ああ、そうさ」
「その通りだよ」
二人は伯爵に胸を張って答えた。
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