第二十六話 日高中佐!作者はお茶が好きだ!!その十
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「正解です」
「待て、その目何だ!」
「思いきりゴミ見る目じゃねえか!」
二人は伯爵にも言い返すことになった、しかも中指も立てている。
「おいこらそこの没落貴族!」
「露骨に態度違うじゃねえか!」
「勝負は公平にだろ!」
「公平にしねえと勝負にならねえだろ!」
「判定は公平です」
伯爵もこのことは神に誓って約束した。
だがそれと共にだ、こうも言ったのだった。
「しかし個人的感情は出てしまいます」
「堂々と言いやがったな、この伯爵さん」
「俺達のことは嫌いってか」
「同じ人間とも思いたくありません」
伯爵は流暢な日本語で答えた。
「貴方達の様な卑劣極まる私利私欲だけの人達は」
「へっ、ノブレス=オブリージュってか」
「それがないっていうんだな」
「そんなので飯食えるかよ」
「金が儲かるかってんだ」
二人はここでもいつもの調子で言うのだった。
「酒に女の子に豪邸にな」
「結局世の中そういうのが全てなんだよ」
「屑ですね、本当に」
「屑だから何だっていうんだ」
「高貴なる者の義務が何になるんだ」
「誇り!?そんなの知るか!」
「勝った奴が正しいっていつも言ってるだろ!」
つくづく煩悩で言う二人だった、そう話しつつだった。
二人は日帝衆とお茶勝負を続けていた、そしてどの茶か当てていった。それは中にはかなり難しいものもあった。
「これはまさか」
「あれか?」
二人はその茶を飲んで驚いて言った。
「イギリス王室御用達の」
「あのお茶かよ」
「この柄は」
「これか?」
二人はその柄を言った、すると。
伯爵がだ、苦い顔で答えた。
「正解です」
「道理で美味い筈だよ」
「それも相当にな」
「噂には聞いてたけれどな」」
「これが王室御用達か」
「美味いな」
「流石だな」
こう言って唸るのだった。
そしてだ、皇室御用達の紅茶も飲んで言った。
「これも凄いな」
「さっきのより上かもな」
「流石皇室」
「お見事」
「恐れ多くない?」
瞬もそのお茶を飲みつつ言った。
「これは」
「確かに、ただ」
「ただ?」
「この紅茶は宮内省からです」
日高が話す、既に宮内省に戻っているのだ。日帝衆によって生まれ変わった日本では庁ではなくなっているのだ。
「どうぞと言ってくれてです」
「頂いたものですか」
「そうです、ご好意で」
「有難いことですね」
瞬はその話を聞いてしみじみとして言った。
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