2期/ヨハン編
K12 偽・Edge Works Goddess of ZABABA
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の車椅子を。私も行きます」
「だめよ、マム! あれからたった一夜しか経ってないのよ? 無理をしないで。マムに何かあったら、私たち……私、どうすれば……っ」
「ありがとう、優しい子。けど、思い出して。今は調も切歌もヨハンも戦っているのですよ。そんな中で私だけが臥せっているわけにはいきません」
「……分かったわ」
マリアは目尻を乱暴に拭い、車椅子をベッドサイドまで持って来た。
ナスターシャが慣れた腕使いでベッドから車椅子に移ったのを見届け、マリアはナスターシャを連れて操縦室へ向かった。
マリアは車椅子を押して操縦室へ飛び込んだ。
「状況は!?」
「ミス・ガングニールが調、切歌とエンカウント。こちらの防戦一方だ」
マリアもまた急いで操縦席に座ってモニターを見た。
上空からの映像で観づらいが、ギアを纏った調と切歌がウェルを後ろに庇い、日本側のガングニールの装者、立花響と対峙しているようだった。
(何なの、このフォニックゲイン値! 私のガングニールを遙かに凌駕してる。これが人間のできることなの?)
驚いている暇はない。マリアは気を取り直、響が不調の内に引き上げろと伝えようとした。
《頑張る2人にプレゼントです!》
モニターの中、ウェルが切歌と調に両腕を突き出した。直後、二人は飛びずさり、それぞれに首を押さえた。
《何しやがるデスかッ!》
《LiNKER……?》
――ウェル捜索に二人が街へ出る時、万が一、日本側の装者との鉢合わせを想定してLiNKERを投与した。だからこそ、近くにいた切歌と調はギアを纏ってウェルの下へ直行できた。それをどうしてわざわざ連続投与など。
《そう、Youたち歌っちゃえよ! 適合係数がてっぺんに届くほど、ギアからのバックファイアを軽減できることは、過去の臨床データが実証済み。だったらLiNKERぶっ込んだばかりの今なら、絶唱歌い放題のやりたいほうだーい!》
(絶唱!? そんな。あの子たちも時限式なのよ? いくら連続投与だからって。そのバックファイアはきっと適合者以上。何て奴なの。我が身可愛さにそこまでして……でも、私じゃマムを治してあげられない……ドクターの手は必要……でも、でもっ)
《 Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl 》
ガンッ!!
隣の席からの殴打音に、マリアは肩を跳ねさせた。
「ヨハン……」
壁に打ちつけたヨハンの拳から、血が一滴、二滴と落ちていく。表情は、彼が俯いていて窺うことはできない。
(無理もない、か。ヨハンにとって何より大事な二人をこんな目に遭わせてるんだもの。むしろ飛び出
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