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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第33話:モブらはみんな生きている 二
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時間に仕入れてきた“シージャック事件”の事を教えてやった。

「そ、そうか! てっきり俺はウルフ殿が……」
「まぁ確かに、彼の信頼度なら陛下がリュリュ様を託されても納得出来るがな……」
「だ、だよなぁ……それに噂じゃウルフ殿は姫様とお付き合いしてるって言われてるし。やっぱりリュリュ様じゃないのか?」
「姫様って言っても沢山居られるだろ。リュリュ様限定じゃないよ」

「そ、そうか……うん、そうだよな!」
「安心したか? 安心してリュリュ様を口説く気になったか?」
「……いや。やっぱりリュリュ様は、憧れの存在であって口説く対象じゃないよ」
「酒に誘ったクセに?」

「あ、あれは……みんなが誘ってたから……つい……」
「まぁそういう事にしといてやる。でも、口説き続けてればリュリュ様に気持ちが伝わる日が来るかもよ? ラングストン閣下が実戦してるじゃん」

「そんな日が来るかぁ? 言いたくないがリュリュ様は極度のアレだぞ!」
「何だ“アレ”って? 不敬罪になるぞ(笑)」
俺もドンもお互い笑ってしまう。
グランバニアじゃなければ、ここまでの会話は全て不敬罪だろう。

「兎も角……俺は俺の相手を探すさ。お前はスカーレットと仲良くやれよ」
「そうさせてもらう。って訳で、今日は残業しないから。彼女とデートの約束をしたから、1秒も残業せずに帰るから!」

「分かった分かった……その代わり、俺の時も協力しろよ」
「お前の時? 相手の候補も居ないのに、今から予約するの? それ何て言うか知ってる? “取らぬ狸の皮算用”って言うんだぞ」

「うるさいよ。狙ってる女性は居るんだ。ただ話しかける機会が無いだけで……」
「誰だよ……そのイカ臭いターゲットの女って?」
「イ、イカ臭いって何だよ!? それにまだ話しかけてもないんだから、今は秘密だ」
「言えって……もしかしたら協力出来るかもしれないだろ!」

「……メイドのマオ」
「マオ? マオって、あの上級メイドのマオか?」
上級メイドとは、ロイヤルファミリーに仕える事が出来る優秀なメイドの事だ。

そんじょそこらの能力じゃ上級メイドにはなれない。
人柄が信頼出来、仕事も完璧で……何より陛下の女性問題を複雑にしない女性だけが、その職に就けるのだ。
過去には現メイド長のブレンダさんや、ウルフ殿の補佐をしてるユニさん等が上級メイドだった。

尤も、ブレンダさんは既婚者だったし、ユニさんは陛下が奴隷から解放させた娘みたいな存在だったから、お手を出したりはしなかったらしい。
はて、マオは独身で彼氏も居ないらしいし、何より体付きが陛下好みだったけど……何で上級メイドを務められるんだ?

ロバートSIDE END




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