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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第33話:モブらはみんな生きている 二
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デートに誘われてしまいました」
本来こんな報告は不要だろう。どう考えても遅れる言い訳にはならないのだから。

「まぁ、それは本当? で、相手は誰なのかしら」
「あ、はぁ……え〜と……城内警備のロバートです」
ブレンダさんは“デートの誘い”と聞いて、顰めっ面から笑顔へと変わる。

「あらぁ〜……彼だったら真面目そうだし、貴女にお似合いよね! 勿論そのお誘いをOKしたんでしょ?」
「は、はい。今夜食事をすることに……」
他人(ひと)の色恋事だというのに、凄まじい食い付きだ。まぁ仕方ないのだけど……

「いきなり今夜……って訳にはいかないでしょうけど、正式にお付き合いするのであれば報告はするのですよ」
「はい。そうします」
普通に考えたら『何だこの職場は!?』って思えるが、グランバニア城では当たり前の事なのだ。

遅刻した事を咎める事なく、嬉しそうに私の前から去って行くメイド長を見ながら、私は自分の仕事に戻った。
そしてこの不思議な風習について考える。
何で職場の上司が、部下の色恋事に首を突っ込むのかを……

答えは簡単である。国王陛下がアレだからだ!
アレといのは、女性問題がアレということだ。
女性問題がアレで、跡取り候補が沢山居すぎて、万が一収拾が付かなくなったらって思いがあるからだ。

でもリュカ様は闇雲に女性問題を発展させてるわけではない。
リュカ様の好みに合った女は口説かれる……言い換えれば、好みじゃない女はお近くで働いてても手を出される事は無いと言う事なのだ。

で、100%手を出されない要因ってのが“他人(ひと)の女にゃ手を出さない”って事なのです。
つまりね、未婚で彼氏も居ない若い女性はリュカ様のターゲットになりやすいから、相当メイドレベルが高くない限りお側での仕事は回ってこない。

でも既婚者か彼氏持ちの女は、メイドレベルが多少低くても重要な仕事を任せられるのだ。
その分お給料も上がるし、未婚および彼氏無し女は挙って若い兵士等をターゲッティングしている。
言っとくけど、誰彼構わずヤってるってわけじゃないわよ! そんな女も居るのだろうけど、殆どが真面目に婚活してるのよ。

このグランバニアで、最も結婚率の高い職業は城のメイドだ。
彼氏を探しやすい職場であり、彼氏が出来れば給料が上がる。
別れると給料が戻るので、多少の事じゃ別れない。
別れないから、ほぼ結婚する。

私も結婚が近いわね!

スカーレットSIDE END



(グランバニア城)
ロバートSIDE

以前から気になっていた女性(スカーレット)を食事に誘い、舞い上がる様な足取りで持ち場に戻ると、そこには同僚のドンが待っていた。
少し戻りが遅くなったのを咎める様に俺を睨んで……

「悪
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