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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第32話:モブらはみんな生きている 一
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突如俺等3人の会話に割り込んできたのは、海兵のクリスだ。
「身代金支払いを渋り、犯人諸共人質を皆殺しにする意思を見せて、犯人等に『人質に危害を加える』的な言動をさせなくしたらしい。加害発言をせずに身代金交渉を進めれば、命は助かるし金も入ると思わせて……」
「でも、それだけじゃ無いらしいわよ」
会話に割り込んできたクリスに対し、スカーレットは何時もの調子で返答する。
そこが彼女の良いところだ。
「最終的に身代金と人質を交換する時、1000人もの一般人を先に解放させてウルフ君を最後まで人質として残らせる為に、リュカ様もウルフ君をVIPに仕立てたらしいわ」
「え!? 事件発生直後から解決までのシナリオを想定してたのか?」
「凄いわよね。犯人等は、操られてるとも知らずにウルフ君を重要な人質として握り続けたんですから!」
本当に凄いよ。
犯人等は全てを失うその時まで、陛下の掌で踊らされてるなんて気が付かないのだから。
「でも笑えるのはリュリュ様の一言だよな……知ってるか、ウルフ殿以外の人質を解放させた後の言葉を?」
またも会話に割り込んできたのは海兵のジェレミー……
「お、流石海兵君ね! もしかしてその場に居合わせたのかしら?」
「残念ながらその場には居なかったけど、その場に居た同僚から教えてもらったんだ。犯人等が最後の人質であるウルフ殿を盾に身代金を渡す様に迫った時に『もう如何でもいっかな? 殺しちゃえばぁ』ってリュリュ様が本音を吐露されて事を(大笑)」
「え、マジ!? リュリュ様ってばウルフ君を見捨てようとしたの?(笑)」
「はははははっ、いい気味だ。本当に見捨てられれば良かったのに」
ジェレミーの情報にスカーレットもマーク等リュリュ様ファンも大喜びだ。
「俺の知ってる話じゃ実際に見捨てられたそうだよ。でもウルフ殿は自力で犯人の剣を奪って華麗に逃げ出したそうだ」
「ちっ……あのガキは、それなりに立ち回れるからな。頭脳労働も肉体労働も出来るなんて……本当に生意気だな!」
俺の提示した情報に、さっきまで楽しんでいたマークが顔を顰めて吐き捨てる。
リュリュ様をフィアンセに仕立てたくらいで、そこまで毛嫌いしなくても良いんじゃないの? でもマーク以外のリュリュ様ファンも、一様に顰めっ面をしてる。
「ところで……その後の犯人達が如何なったのか知ってる?」
「如何なったって……逮捕されたんだろ?」
少し雰囲気が悪くなりかけたところでスカーレットが話題を変えた。
「そうじゃなくて……逮捕されるまで24時間の猶予があったじゃない。その間の事よ!」
「えぇ!? その間も陛下にいびられ続けたの?」
「そりゃ最悪だな(笑) 金はもらえない、逮捕される、その上いびられる……か」
「で、どん
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