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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第31話:思い出のバカンス……支払いと受け取りと嘲り
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ら百8万(ゴールド)ってとこかな? 24時間逮捕しないであげるよ」
つまり、連中が得た金を全て支払えば、24時間だけ罪に問わないでやるってこと!?

「そ、そんな……折角手に入れた金なのに……」
「無理にとは言わない。でも逮捕したら、その金は没収だけどね(笑)」
酷い……相変わらず酷い。
ウルフもお父さんも、ここまで計算ずくで事を運んだのかしら?

「…………………………くそ!」
リーダーが仲間を見回し決断した。
それはもう渋々の決断を……

「まいどあり〜☆」
先程渡した身代金入りのバッグを10個全て受け取ると、犯人達からは遠ざけて武装兵士に警備させる。満面の笑みで!

「あ、お前等そのエリアから出るなよ」
お金の警備を万全にしたところで、他の兵士が犯人等を囲う様にロープで仕切る。直径5メートル程の円で……

「この船は軍艦なんだ。自軍の兵士以外で武装した者が彷徨いてちゃ迷惑。って事で、お前等の居場所はそのロープの中だけ。兵士も24時間はその中に入らないから、自由に過ごしてて良いよ。でもロープから出たら殺す……逮捕じゃ無くて殺すからね!」
そう言うと目で兵士等に合図をし、その合図に頷いて答える屈強なるグランバニア兵。

遂に輸送船との間に架かってる渡し板を撤収され、この騒動の終幕を感じ始めると……
「安心するのはまだ早いぞマリー・リューノ。面白いのはここからなんだから(ニヤニヤ)」
と、ニヤケ顔ウルフから追加騒動の告知あり。

「陛下……一大事でありますぅ」
もう行き来出来ない輸送船の甲板では、ウルフの様にニヤニヤが止まらない艦長が、微塵も一大事感を感じさせない緊急報告が響き渡る。

「ど〜したんだい艦長、そんなに慌てちゃってぇ!?」
「はっ。今回の任務も終わり、グランバニア港に帰港する為準備をしておりましたら、艦動力部に異常がありまして、当艦を動かす事が出来なくなってしまいました!」

「なぁ〜んだってぇ!!!!? そいつぁ一大事!」
どんな単純馬鹿でも見破れるくらいワザとらしい演技で、お父さんと艦長が船の航行不能をアピールする。

「一体どんだけ動けないんだい?」
「はい。24時間です!」
「なるほどぉ……24時間が過ぎれば直るんだね?」
「はい陛下。24時間と1秒後には完全に直っております!」

何度も言うが酷い。
彼等はお金を払って24時間を購入したのに、その24時間を無駄遣いさせる気だ。
結局犯人達には1(シルバー)も残らず、その上逮捕までされてしまうのだ。

犯人達に視線をやれば、ただ項垂れて自身の愚かさを呪っていた。
相手が悪いわよ……お父さんとウルフを敵にしてんだから。

リューノSIDE END




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