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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第31話:思い出のバカンス……支払いと受け取りと嘲り
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は兵士の一人に指示を出し、渡し板を取り外させる。
攻撃してこない事を確信した犯人は、ホッとむねを撫で下ろし再度身代金を確認する。
やっと金を手に入れた実感を味わってるのだろう。

犯人達の安堵の表情と、大金を手に入れた嬉しさの顔を見ていたら、不意に或る事に気が付いた。
「あの〜……犯人さん達の中に、それ程大きな船を動かせる人は居るんですか?」
そう……彼等は如何やって逃げるのだろうか? 船員は人質として解放され、こちらの船に移乗済みなのだ。

「え……!? ふ、船を……動かす人間?」
あれ……僕と同様、そんな事は考えてなかったのかな?
「馬鹿だなぁティミーさんは……」
僕と犯人達が同じ疑問を抱えてると、頼りになる義弟が半笑いで諭してくる。

「あの船は大型の蒸気船ですよ。並の操船技術じゃ動かす事何て出来ませんよ。仮にアイツ等全員に、そんな操船技術があったとしても、あの船を動かすには最低50人は必要です……それも何人かが別の作業を兼任して。奴等は全員で24人ですから、全く圧倒的に人数が足りてません(笑)」

「じゃぁ……彼等は如何やってこの場から逃げるの?」
「そんな事知る訳ないですよ(大笑)」
「そうだよティミー。僕等が約束したのは、身代金の受け渡しと彼等の身の安全だけだ。何で奴等の逃亡を手助けしなきゃならないんだ?」

ゲラゲラ笑う2人を見て、犯人達が慌て出す。
「ふ、ふざけんな……せ、船員を返せコラ!」
うわぁ……コイツ等逃げる事を考えてなかったんだ。

「ふざけてるのはお前等だ馬鹿。金を払ったんだから、人質はこちらのモノだ……返して欲しかったら、金返せ馬鹿者!」
か、金を返したら人質を渡すのかよ……

「か、返してやるよ! まだ1(ゴールド)たりとも使ってないんだ……全額返してやる!」
「馬鹿野郎、今回の身代金の全額は5億だぞ! この場に5億もの金があるのかよ?」
ある訳ないだろ……僕等が渡したのは百8万(ゴールド)だけなんだから。

「ふ、ふざけんな。お前等だって5億用意出来てねーじゃんか!」
「用意しようと思えば用意出来たわ! でもその為には時間がかかるって話だったろが! そんなに待てないってお前等が言うから、4億9千5百万で時間を買ったんだ。従って僕等グランバニア王国は、お前等の望み通りの金額を支払ったんだ。偽札が混じってたのは、人質を取るという卑劣な行為への報復であって、言い換えればその分(卑劣な行為)の代金だ」

「なめんなよ! そんな言い訳が通用すると思ってるのか!?」
「言い訳ではなく事実だ馬鹿。我々とお前等の繋がりは金だけなんだから、船員を返して欲しかったら貴様等指定の金額5億を払え」

「く、くそ……」
犯人達は悔しそうに歯を食い縛り、父さんの事を睨み付
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