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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第31話:思い出のバカンス……支払いと受け取りと嘲り
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ら僕もリュリュも、同じ様に苦笑いです。
先程まで高笑いしてた犯人も、様子がおかしい事に気が付き……

「お、おい……この男が如何なっても良いのかよ!?」
と確認作業。だから麗しのお姫様は、
「う〜ん……もう如何でもいっかな? 殺しちゃえばぁ」
うん。酷いよね……そこまで言わなくても良いよね?

「な、何言ってんだあの女!?」
大いに混乱するのは犯人君達。
そんな混乱を見逃さないのは、我が義弟の人質ウルフ君。

「ベギラマ!」
彼の放った魔法が密集してた犯人グループの間を駆け抜ける。
何人かは酷い火傷を負った様だが、その殆どが腰を抜かすだけの脅し魔法。

自身の喉に剣を当ててた犯人から、素早くその剣を奪い取ると、手近な犯人の足を切りつけて、こちらの船に悠々逃亡。
気が付けば、犯人達に人質は無し。

「酷いよリュリュさん。俺の事を見殺しにしようとしたでしょ!?」
「勝手に私をフィアンセになんてするからでしょ! 凄い迷惑」
奪った剣を海に投げ捨て、軽やかな足取りで僕等の下に戻ると、見捨てたフィアンセにクレームをタレる重要人物。

「おいウルフ。人質は全員こちらに移乗したんだな?」
「え? ……あぁ、はい。向こうに残ってるのは連中だけですよ。如何します、船ごと沈めちゃいますか?」
人質の当事者たるウルフ君が、何時までもリュリュとイチャイチャしてる為、状況確認をしたい父さんは少し口調が厳しい。

「や、約束が違うぞ!!」
身の危険を感じた犯人達が脅えた口調で怒鳴り出す。
でも相手が誰であれ、約束は守った方が良いと思います。

「なんだよ……僕は沈めるなんて言ってないだろ!」
少し憤慨してる父さんは、非人道的発言をしたウルフ君を横目で睨みながら、残りの身代金バッグを連中の船へと放り投げた。

「ほれ……人質が全員解放されたから、約束の身代金をお前等に渡してやる。有難く受け取れ馬鹿者!」
「え、良いの!?」
殺されると覚悟してた犯人達は、残りの身代金を渡されて驚き戸惑っている。

しかし……
「お、おい……これ!?」
「な、何だこりゃぁ!? 殆どの紙幣が偽物じゃねーか! 如何いう事だコラ」

「黙れ。人質を取るという卑劣な行いをする奴には、こちらも“偽物の紙幣を使用する”という卑怯さで対抗するんだ! これでおあいこ……フェアな取引だ」
「こ、この野郎……」

「何だ? 不満なのか……バッグ2個分とその他の札束の上と下は本物の紙幣だぞ。百8万(ゴールド)はあるんだぞ、感謝しろ馬鹿! それともブッ殺されたいのか?」
向こうには取引道具の人質は居らず、こちらには非常識な権力者が居り、そいつが見逃してくれそうなので、渋々偽札混じりでも納得しようとする犯人達。

それを見定めた父さん
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