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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第31話:思い出のバカンス……支払いと受け取りと嘲り
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見せると、それにつられて犯人も焦り出す。

「ふざけるな。金を先に渡したら、そのまま人質と共にトンズラするんだろ! そして何度も身代金を要求される……もしくは、美女だけを選りすぐって性欲の捌け口として使い殺す気だろ!」
「そんな事せんわー!」

「如何だか……」
「貴様等こそ人質を受け取ったら、金を払わず総攻撃する気だろ!?」
疑う気持ちは解るけど、信用出来ないのなら取引なんて出来る訳ない。
つーか、そんな単純な事は考えてないよ。

「馬鹿にするな。お前等の様な下賤な平民は、そんな浅ましい事を考えつくだろうけど、予は国王であるぞ! ほら、この通り金だって持ってきたんだ」
憤慨する王様は疑う犯人に向かって身代金が詰まったバッグを1個放り投げた。

10個あるバッグの内、全てが本物の札束が詰まったバッグ1個……
犯人達は慌ててバッグの中身を確認すると、
「よ〜し……本当に金を持ってきた様だな。では残り9個もこちらに投げてもらおうか!」

「ふざけんな馬鹿。こっちは支払う気があるって証拠を見せただけだ。今すぐ人質を解放しないのであれば金を返せ! さもないと皆殺しだ」
“皆殺し”って、凄い言葉を出してきたな。

「お、おい如何するんだよ? 金なんて生きてなきゃ使いようがないんだぞ!」
僕等の後ろに控えていた兵士等が全員一斉に剣を抜き身構える。
それに合わせて人質のウルフ君が犯人の決断を急がせる。

「え、あ〜……えっと〜……」
あ〜もう。早く決断しろよ!
「ウルフ様ぁ……」
僕同様に苛ついたリュリュが、大ヒントとして愛しの彼氏の名前を絶叫する。

「……そ、そうだ! おい人質共、お前等はそっちの船に移って良いぞ!」
如何やら気が付いたみたいで、人質の移乗を許可してくれた。
それに従い大半の人質が一斉にステラポラレ号へ乗り込んでくる……そう、1人を残して。

「さぁ……人質はそちらに返したぞ。残りの金をこちらに投げてもらおうか!」
「ばかものー。あと一人人質が残ってるだろが! そいつは返さないのかー?」
移乗してきた一般の人質(マリー・リューノを含む)の安全を、僕等の後ろで待機してる兵士等に確保させて、最も重要な人質(犯人主観)の解放を問うてみる。

「ふっふっふっ……このVIPはまだ返せないね。残りの金を受け取ってからだ……ふっふっふっ!」
一人残されたウルフ君の喉元に刃を這わせて、勝ち誇った様に笑っている犯人。
残念だけど君等の負けだよ。

「さぁ姫様……お父上に懇願しなさい。愛しのフィアンセを助けて下さいましと……ね」
さて……父さんは彼等を如何やってお仕置きするんだろうか?
僕とリュリュは、それが気になり視線を国王陛下に移した。

すると陛下は両肩を竦めて苦笑い。
だか
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