1期/ケイ編
K15 心に満ちた決意
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た奈落に身を投げた。
「 ――Hamones A-lens toges tron―― 」
追いつかれる。それでも翼はそびえ立つ砲台のさらに上を目指そうとした。
《 Gatrandis babel ziggurat edenal―― 》
ネフシュタンの楔が翼を捉える寸前、下から碧の光線が放たれ、楔の追撃を焼き切った。
翼はハッと地上を見下ろす。
カ・ディンギルが根元から光を放っている。発射前の光ではない。まるで内側で別のエネルギーが発生しているかのような――
(……すまない、小日向妹。私はお前から兄と最愛の人を同時に奪うことになりそうだ)
再び炎の両翼を点火し、風鳴翼はカ・ディンギルの頂点を目指して翔ける。
「 Emustolronzen fine el baral zizzl―― 」
その頃。奈落の真ん中で、小日向ケイは今まさに唱を絶とうとしていた。
「 Gatrandis babel ziggurat edenal―― 」
発射寸前の荷電粒子を、真正面からプリズムレーザーで受け、エネルギーを吸えるだけ吸わせる。そんな単純作業でも、ケイもプリズムレーザーもダメージを受けている。カ・ディンギルの余波もだが、全てのリミッターを外す絶唱が肉体を蝕んでいる。
それでも絶唱を選んだ。ただでさえ扱いかねるプリズムレーザーを確実に使うために。カ・ディンギルを確実に壊すために。
(そろそろマズイ、か。次で解放する。それで俺もシンフォギアもぶっ壊れて終わりだ)
絶唱の危険性は了子から聞かされていた。天羽奏や雪音クリスという実例も知った。
(不思議だ。きっと死ぬのに怖いって感じない。おかしいな。俺、自分が死んでも好きな子が生きててくれたらって性格じゃないはずだけど。信頼してるからかな。未来は俺がいなくて折れるような可愛げある性格じゃないし、響ちゃんだったらフィーネ相手だろうが負ける気がしないし)
ケイはレバーを握った。
(ごめんな、未来。未来の分も響ちゃんのそばにいるって約束、嘘にしちまった)
ケイは用意をして、最後の一節を歌った。
「 ……fine el,――zizzl 」
ケイは一片の迷いも未練もなく、体を反転させ、照準をカ・ディンギルの内壁へ向けた。
レバーを力の限り引き、叫んだ。
「ここだ風鳴!! 斬れぇぇええ!!!!」
通信機からケイの絶叫が聞こえた瞬間、翼はギアの炎を最大威力で発した。
「はあああああああああああッッ!!!!」
青い火の鳥と化した風鳴翼は、爆発直前まで膨れ上がったエネルギー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ