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K's−戦姫に添う3人の戦士−
1期/ケイ編
K15 心に満ちた決意
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のような兵器なのか、フィーネの目的が何なのかすら分からないというのに。翼はそれを破壊しなければならないと伝え、向かおうとしている。()()()()()()

 ケイは苦笑し、枯れた喉から声を絞り出した。

「大丈夫だ」






「――大丈夫だ」

 未来は、はっとしてベッドをふり返った。
 ケイが顔を顰めながらも起き上がり、立ち上がった。

「ケイ! まだ体が!」
「だいぶマシになった。それに」

 ケイが見やったのは、涙に暮れた弓美。
 ケイは弓美の前まで歩いて行くと、目線を合わせるようにしゃがんで、弓美の頭に掌を置いた。

「助けてあげるから。俺と、風鳴が。君も、未来たちも、響ちゃんも。――だからもう泣くな。な?」

 ケイが立ち上がる。

「藤尭さん、友里さん、ここからデュランダルまでの距離、分かりますか?」
「――カ・ディンギルを内側から壊すつもりか」

 弦十郎は険しく言った。

(壊す? クリスでさえビームを逸らすのが精一杯だったあの兵器を?)

 しかし、ケイは弦十郎に対して肯き、紅いペンダントを取り出して見せた。

「エネルギーを反射する。それが元々のコイツの特性だって櫻井コーチが言ってました。俺がA・レンズでカ・ディンギルの発射エネルギーを奪えれば、一発は止められます。上手くタイミングを合わせれば、風鳴と同時攻撃で砲台そのものを破壊できる」

 彼の瞳にはどこまでも冴えた闘志。

「行きます。同じ装者が戦ってるのに、俺だけ安全なとこで隠れてるわけにはいかない」

 彼は創世と詩織の頭にもそれぞれ両手を置き、最後に、未来の正面に来た。

「行ってくる。未来」

 「行ってらっしゃい」も「行かないで」も未来には言えなかった。ここで送り出したら、クリスと同じでケイも帰って来ないかもしれない。
 だから代わりに、目尻に涙を残したまま、未来はケイの肩を掴み、爪先立ちで頬にキスをした。

「み、く」

 ケイは未来の唇を受けた頬を押さえ、呆然と未来を見返していた。だがやがて、寂しさを滲ませて苦笑し、未来に、背を向けた。

 弦十郎が友里に、ケイをシャフト跡まで案内するよう指示する。友里は硬く肯き、ケイと共に部屋を出て行った。

 涙が零れた。それでも未来は決して泣かなかった。





 ケイは友里を追って暗い廊下を行き、潰れたエレベーター前まで辿り着いた。

 剥き出しになったドアから覗き込む。上も下も闇しかない、奈落か地獄にでも通じていそうな縦穴。
 この奥底に、デュランダルがある。

「未来とお友達をお願いします」

 友里が肯いたのを見届け、ケイはエレベーターシャフトだっ
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