第四話
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裂いた。
「うぎゃー」
これまた情けない悲鳴。
二匹のモンスターは如月から飛び退き、距離を置く。
次の攻撃に備えて体勢を整えているんだ。
案外やるじゃないか。
俺は少し感動していた。
あんな小さな、ほとんど実物大のポ○モンが触手お化けに善戦している。いやむしろ押しているくらいだ。いけ、このまま押し切るんだ。一気にいっちゃえー! そんな想いで彼らを操る少女を見た。
そして驚愕した。
少女は膝をつき、肩で息をしていた。額からは汗がしたたり落ち、異常なほど困憊している。
ただでさえ白かった彼女の顔はいまや蒼白になっている。ふらついて立っているのがやっとの様にさえ見える。
俺は慌てて彼女に駆け寄り、体を支える。
「おい、大丈夫なのか? 」
「ハハハ、思った以上に消耗が激しいみたい……。3体しか起動させていないのにこの有様とは……、情けないものね」
喋るのもやっとの状態の少女に、俺はどうしていいかわからなかった。ただわかることはこのままでは少女の体が保たないということ。とにかく、ここから彼女を連れて逃げなければならない。
教室の中では二匹のモンスターと触手の化け物が対峙している。ファーストアタックで二匹のポ○モンが与えたダメージはすでに回復しているようで、雷撃や居合い切りといったワザはすでに見切られ、以降何度か行った攻撃は、まったく奴にダメージを与えなくなっていた。
ポ○モン達を覆っていた青白いオーラは次第に光を弱めている。
まるでエネルギーが切れるかのように。
「そうだ、与えた命がもうすぐ尽きる……。やはり、今のわたしではこれが限界みたいね」
悟りきったような表情で少女が呟く。その瞳には諦めの色が浮かんでいる。
触手が乱れ飛び二匹に命中する。派手に吹っ飛ばされ、壁に激しく打ち付けられる。
「たいして面白い遊びじゃなかったね。こんなおもちゃで僕を倒そうなんて計画からして無理があったね」
余裕の笑みで2mの高みから如月が見下ろす。
勝負あった感じだ。
壁に打ち付けられた二匹はよろよろと立ち上がる。もはや勝敗は決しているがその瞳には諦めはない。まるで意志でももつように二匹はお互いを見つめあい、そして頷いた。消えかけた青白い炎が再び燃え上がる。
かけ声らしきものをあげ、二匹は駆け出す。如月に向かって。
「今更! 笑止! フハッ」
複数の触手が彼らを襲う。
彼らは左右に回避行動を取りながら触手の攻撃をかわし、如月の本体に飛びついた。
「なにすんじゃあ、このクソ虫」
如月が叫ぶ。
二匹はこちらを見た。
……そして笑ったように見えた。
その真意を悟った俺は、少女を庇うように地面に倒れ込む。
刹那、二匹の体が激
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