第二話
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い。なんか唸るだけだ。血が腹から噴き出してくるのが視界の隅に見えた。如月は痛みに歪んだ俺の顔を嬉しそうに見ながらペンを引き抜いた。
悪夢だ。悪夢だ。でもさめることのない現実なんだ。
ボールペンを捨てると、今度は右手をボールペンの開けた腹の穴にねじ込んでくる。皮膚が割けていく。さらには左手も俺の腹に突っ込み、傷口を開いていく。これまでにない痛みで俺はひっくり返りそうになるし悲鳴も上げそうになるが、それらの動きは全て不可能の状態だ。失神でもすれば良いのにその気配すらない。本気で地獄の痛みだ。目からは意図しない涙がボロボロ流れ出ているのがわかる。大量の出血で意識が遠のきそうなもんなのに、痛みで意識が戻ってくる。
触手が俺の口の中に入り込み、喉の奥の方までつっこまれている。息苦しさもあるし、顔を固定されているから下を見ることができない。でも痛みの感覚から真一文字に腹をかっ捌かれているのは分かる。
「くへー。臭いなあ。これ」
無邪気な笑い声を上げながら如月は俺の腹の中に手を突っ込んでグチャグチャかき回す。もう痛いのやら何なのやらよく分からない。ただこんなのが永遠に続いたら死ぬ前におかしくなるかもしれない。
「さあさあ見てみて。汚いなあ、月人君のこれ〜」
そう言って奴は俺の前に腹から引きずり出した腸とかを見せてくれる。ピンクやら薄肌色やら赤やらで彩られたそれは吐き気を催すし気が遠くなりそうだった。そんなもん見たくもない。
「これからバラバラにしていろいろしてみたいな。それまで死んだりしないでよ」
勝手な事を言う。いそいそと何かを準備をしているようだ。
「うん? 」
突然、如月は動きを止めた。警戒するように辺りを見回す。そして肩を震わせケケケケケと嗤いだした。
ついに気が狂ったか?
「あいつだ。……感じるぞ。あいつが近づいてる。……うーん、下だな下した」
俺を見る。
「月人君。ごめん。お客さんが来たようだから君の相手はもうできないよ。本当は用事が済んだら帰ってきたいんだけど、その頃には死んじゃってるだろうね。残念。……何か記念がほしいなあ。そうだ! 」
そう言うといきなり俺の口に押し込まれた触手が引き抜かれた。気持ち悪さで咳き込み僅かな内蔵物をはき出す。
そんな俺の頭をガッシリと掴むと、奴は俺の左眼に指をつっこんできた。ぐりぐりと人差し指と中指を器用にめり込ませる。もはや痛みなんかない。
ポロンという感じで俺の左眼が摘出された。目ん玉にくっついてる筋肉みたいなのを無造作に引きちぎると、自分と潰れた眼球をほじくり出し、俺のを押し込んでセッティングする。
何度か目をぱちくりしすると俺の目だったものが奴の左眼で馴染み、もとより奴のものだったように動き出した。
「ふふーん。これであいつに相対して
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