第154話 孫堅参上
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に自慢気に言った。
「行商人達は他に何か言っていたか?」
「車騎将軍は蔡瑁の刺客の襲撃を受けたらしいんだけど、彼が目にも留まらない弓捌きで襲撃者を討ち取ったって言っていたけ。その行商人は間近で見ていたらしくて、その時のことを身振り手振りで興奮しながら話していたわね。私、車騎将軍の印象は太ったおっさんみたいな印象だったんだけど違ったのね」
孫策は正宗のことを知らないこともあり車騎将軍の先入観で正宗の印象を捉えていたのだろう。当時、後漢末期ともなると大将軍や車騎将軍の官職は皇帝の外戚の定位置のようになり、生粋の武官の印象は低くなっていた。
「策殿、流石に口が過ぎますぞ。しかし車騎将軍は弓の使い手であられるのですか」
黄蓋は孫策の毒舌に苦笑した。彼女は弓の使い手として正宗に興味を持ったように見えた。
「車騎将軍は男なのかい?」
「そうみたいね。行商人の話よると雅な出で立ちの男だったて言っていたわね。でも滅法腕は立つと言っていたわね。どの程度の腕かわからないけど雑兵に遅れを取ることはないんじゃないのかな」
孫策は酒場で聞いたことを思い出すように喋っていた。ふと孫策の動きが止まる。
「そうそう! 車騎将軍の襲撃者の名前聞いて驚いたわ! 誰だと思う? 誰だと思う?」
孫策は悪戯を思いついた子供のような表情で孫堅に言った。
「私が知るわけないだろ。勿体ぶらずに教えな」
孫堅は孫策は憮然としていた。
「どうしようかな〜」
孫堅の様子を面白そうに孫策は見ていた。
「策殿、誰なのですか? 教えてくだされ」
黄蓋は話の続きを聞きたいのか孫策に頼んだ。
「しょうがないわね。聞いて驚かないでね。襲撃者の名は劉表配下の黄忠」
孫堅と黄蓋は目を丸くし、次の瞬間大笑いした。
「何で笑うのよ!」
孫策は二人の反応に気分を害したのか憮然としていた。
「劉表配下の黄忠が車騎将軍を殺そうとするなどありえないですぞ。空から槍が降るようなものじゃ」
黄蓋は腹を抱えて大笑いしていた。
「黄忠が車騎将軍の命を狙う理由が何処にある?」
孫堅は黄蓋の言葉に同調し孫策の話を一笑に伏した。
「私もはじめ信じられなかったけど。いくら黄忠でも蔡瑁に娘を人質に取られれば仕方ないんじゃないのかな」
孫策の言葉に二人とも笑うのを止めた。
「蔡瑁はそんな下種なことをしたのかい?」
孫堅は孫策の話に反応し、険しい表情に変わる。孫策は彼女に頷き肯定の返事をした。
「あの陰険な女ならやりそうなことですな」
黄蓋は蔡瑁のことを思い出すような仕草をした後、何度も頷きながら言った。孫堅も黄蓋の意見に同意なのか頷いていた。孫堅と黄蓋の様子から
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