第154話 孫堅参上
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ぞ」
黄蓋は孫策に急かされ渋々と弓に矢を番え正宗に照準を合わせた。
「坊主、許せよ。この程度であれば避けれるじゃろう」
黄蓋は申し訳なさそうに正宗に向けた弓を射った。しかし、その弓は正宗に届くことなく途中で落下した。
「祭、何してんのよ!」
孫策は正宗の目の前で墜落する矢を見て黄蓋に怒鳴った。
「策殿、何者かに撃ち落とされたんじゃ! 誰だ?」
黄蓋は周囲を見渡そうとするが、孫策が黄蓋に次の矢を放つように急かした。しかし、黄蓋は邪魔してきた人物を探すのが先だと言い合いになっていた。
「貴様等! 正宗様に何をしている!」
「あなた達正宗様に何をする気ですか!」
孫策と黄蓋が言い争っていると二人の女の怒声が聞こえた。孫策と黄蓋が振り向くとそこには泉と黄忠と孫権がいた。泉に至っては頭に血が昇り過ぎて、孫策達を殺そうと槍を構えていたが必死に黄忠が宥めていた。
「蓮華!?」
「蓮華殿!?」
孫策と黄蓋は孫権を見て素っ頓狂な声を出した。だが、直ぐに正宗と孫堅の方を向いた。自ずと残りの三人も視線を正宗と孫堅に向けた。それを見た孫権は慌てて正宗と孫堅に駆け寄っていく。
孫堅は正宗の攻撃に苦しめられていた。体中に小さい裂傷ができ血が滲んでいる。正宗の攻撃を全て避けきれずに負った傷だろう。動きの鈍った孫堅に対して正宗は緩急を付け不規則な双天戟による連続突きを孫堅に浴びせ更に追い込んでいた。孫堅は既に満身創痍の状態だった。
「先程までの威勢はどうした? 貴様は年老いた武器を持たない者にしか偉そうにできないのか?」
「忌々しい若造だね! 何度も言っているだろうが! 私は脅迫なんかしていない! あの婆が勝手に私のことを怖がったんだろうが!」
孫堅は自棄糞気味に正宗に叫んだ。
「この私に襲い掛かってきたお前の台詞など信用できんな」
正宗は孫堅に言うと双天戟を構えた。先程と違い正宗の放つ気が変化した。先程までは灼熱の炎のような攻撃な気だったが、今は辺りから音が聞こえなくなったような錯覚を受けるような気に変質していた。孫堅は本能的に正宗の変化を感じ取ったのか表情が緊張しているように見えた。
「孫文台がこんな危険な女であったとはな。後顧の憂いとなる前に、ここで終わりしてやる。お前を始末したら娘の孫伯府も始末してやる」
「清河王、お待ちください!」
正宗と孫堅の間に孫権が割り込んできた。
「蓮華!?」
孫堅は孫権を確認すると驚いた様子だった。それに対して正宗は邪魔をされたことに不機嫌な様子だった。
「孫仲謀、そこをどけ! この私に無礼の限りを働いた孫文台を成敗してやる」
正宗は孫権に怒鳴った。
「お気をお鎮めください! 母の無礼はお
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