第154話 孫堅参上
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孫堅は正宗の口ぶりが気に入らなかったのか、先程までと違い凄い剣幕で猛り狂い正宗に怒鳴った。正宗は孫堅の態度に少しも動じなかった。
「お前等に用はない。さっさと失せろ! 今なら勘弁してやる」
正宗は孫堅の態度に不快感を覚えたのか吐き捨てるように言った。
「私が孫文台と知ってなお、そんな舐めた口を聞くのかい?」
孫堅は悪ガキを躾けるつもりのような態度で正宗を見た。正宗は孫堅の言葉を聞き鼻で笑った。
「舐めた口を聞いたらどうなるというのだ?」
正宗は孫堅を小馬鹿にするように挑戦的な目つきで見つめた。その様子を見て孫策は右手を額にため息をついた。
「坊主、悪いことは言わん。文台様に詫びるんじゃ。今謝れば私の口添えしてやる」
黄蓋は正宗を気遣うように言ったが、正宗は大笑いした。その様子に孫策と黄蓋は顔を見合わせ呆れていた。
「若造、躾の時間だ!」
孫堅はそう言うと南海覇王を抜き放ち襲い掛かってきた。正宗は一気に間合いを詰め、孫堅の近くまで移動していた。その速さに孫堅だけでなく、孫策と黄蓋も目を見開き驚いていた。正宗は素早く双天戟を深く構え突っ込んで来る孫堅に向けて激しい連続突きを繰り出した。孫堅は正宗の反撃を予想していなかったのか、苦しい表情で必死に双天戟の激しい突きを捌いていくが耐え切れず後方に下がった。彼女の横腹にどす黒い血の色が滲んでいた。そして、南海覇王を握る手は小刻みに震えていた。正宗の放つ連撃を立て続けに捌いて彼女の手は一時的に痺れているだろう。
「逃すか」
正宗は底冷えする声で喋ると孫堅に向けて殺気を放つ。その瞬間、後方に逃げる孫堅との間合いを詰めようと正宗は襲い掛かる。孫堅は正宗の戟から逃げ切れないと悟ったのか、正宗との間合いを詰め南海覇王を振り上げると正宗に斬撃を浴びせた。しかし、正宗は双天戟を棒切れのように軽々と起こし、ぎりぎりのところで孫堅の斬撃を全て防ぎきった。孫堅は舌打ちをし距離を取ろうと再度後方に飛んだ。
「孫文台、私に小細工など効かんぞ。私を殺る気ならここを狙わんとな」
正宗は口角を上げ、自らの首の右側を右手で軽く叩く。彼の余裕に満ちた様子に孫堅は苦々しい様子だった。
「若造、勝負はこれからだ!」
孫堅は自分の娘と同じ位の年端の男に一方的な実力差を見せつけられたことが余程の悔しいのだろう。彼女は脇腹の痛みを堪え額に汗をかきながら正宗を睨みつけた。
「弱い弱い孫長沙郡太守殿とお呼びすればよろしいかな?」
正宗は孫堅をなじるように薄い笑みを浮かべ双天戟を構えた。孫堅は正宗の言葉に両目を血走らせた。
「若造が!」
孫堅は江東の虎の異名に相応しい威圧感を辺りに撒き散らし正宗に襲いかかる。彼女の表
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