各々の獲得
[9/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
なのでそんなに固くならなくてもいいんですよ? クラスは違いますが同じ教導院で同じ歳なので。普通に接していただけないと私の方が固くなりそうですし」
この人上手い……!?
そして同い年……!? と言葉の使い方と空気の読み方と雰囲気から年上だと錯覚していた自分は見事に全てにノックダウンされた。
これが新型巫女型決戦兵器……! って、いやいやと周りの皆の新言語に毒されてますよぅ。
でも、確かに留美さんの言う通りだろう。
分かりやすく考えればシュウ君が遊びに来たと思っているのにあっちは仕事だ仕事という雰囲気で堅い雰囲気で接してきたら場が違うというものだろう。
ま、まぁ……確かに自分は仕事で来たわけではないですしね……
私的な理由で熱田神社に来たのだ。
だから留美さんも私的な立場で迎えてくれたというのに勝手に現実逃避をしてガッチガチになったこっちに非がある。
だから出されたお茶を出来る限り自然体でいただきます、と告げ、飲む。
美味しい、と素直に思い、喉を潤し、飲み終わった瞬間に思わずほっとする。
「本当ならお菓子も出したかったんですけど……丁度この前、碧ちゃんと女子会している時に切らしてしまって……あ、そういえばこの前シュウさんが隠し持っていたエロゲを処分した時についていた特典で"母の味……"というお菓子がついていたので持ってきましょうか?」
「そ、それは色んな意味で危険なんで……!」
そうですか……と本気で残念そうに呟いているのを見ると危険だ。
この人、悪意とか外道とかじゃなくて善意で何かをしてしまうタイプだ。
というかどうしてそのタイトルを見て不穏な気配を感じ取れないのだろうか。
「あ、あのー……その……その呼称に何かえっと……ほ、ほら? 思う所ありません?」
「え? え、ええ……確かにその、変な名前ですけど……シュウさんが得たものですから大丈夫だと思いまして」
思わず息を呑む。
今の言葉の裏の意味をはっきり読み取ってしまったからだ。
……こ、この人、シュウ君への信頼度MAX過ぎて何があっても大丈夫状態……!?
恋は盲目と言う状態かと言われたらそれは違う。
何故なら留美さんはしっかりと名称に関して奇妙という真っ当な感性を保持している。
ただ留美さんは真っ当な感性を保持したまま、シュウ君によるものならば結果を受け入れるという状態なのだ。
愛の深度による完全なる信頼行為。
最早、頬すら染められないレベルだ。
一体シュウ君はこの人に何をしたんですか……!?
ああ、もしかして今のシュウ君では望み薄かもしれないけど昔のシュウ君が何かイケメン行為でもかましてしまったのだろうか。また現実逃避か自分。
落ち着くのだ自分。
確かにここに来た理由は彼の事だけど彼女との事では
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ