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不可能男との約束
各々の獲得
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クラスの大打撃の言葉だった。
大打撃の言葉を放つ存在は強いて言うなら喜美がいるがやはり彼女とも決定的に違う。
何故なら喜美はこんな口調で、こんな眼で、こんな事を絶対に言わない。


こんな心底悔しそうな(・・・・・・・・・・)感情(コトバ)を私は聞いたことが無い。


いやまぁ、アデーレ辺りにはよく言われているようなという普段の思考が一瞬、過ぎったが流石に空気を読んでないのでアデーレの記憶からは脳から退場して貰った。
余りにも扱いが悪い気がするが今はそっちに構ってられない。
何故なら彼女は嫌がらせを二つする、と言った。
私に対してではなく"あの人"に対して、と。
そして彼女はそれを私に聞かせている。
どういう理由と理屈と感情があって私に言葉を放っているのかは分からない。
だけど彼女は意思を止めるつもりは見えない。
ならば聞くべきだ。
いっそ血を吐くような表情で言った方が気が楽になるのではないかと思う笑顔で話しているのだ。
聞くべきだ、その答えを内心に抱いた時を狙ったかのようにして、留美さんは口を開く。

「もう一つは───あの人がここに……武蔵に来ると決めた日」

その時

「最初は全く来る気なんて無かったんですけど……だけどとある人がとある人物の名前を出した途端にあの人泣いて(・・・)こう言ったんですよ?」

泣いての部分で思わず浅間の体が固まってるのを無視して彼女は何故か楽しそうな口調で

「"俺にもまだ守りたいと思える人がいた"って……」

「───」

守るとかそういうのは苦手。

そういう言葉が口癖の彼。
何せ調理実習の時に包丁で野菜を斬ろうとしたらよくあるネタのまな板を切るどころかキッチンを軽くぶった斬ってしまった事がある。
思わずアデーレやミトが無意識に両腕で胸を守ろうとする光景であった。
ちなみに慌てたシュウ君は何故か真っ先に野菜をくっ付けようと無駄の努力をしようとして

「……あれ? 野菜、くっ付いたぞ……?」

「ま、まさか……! 熱田君、君は遂に戻し斬りの境地に辿り着いたんだね……! 唸るよ僕の右手……!」

流石にキッチンは戻らなかったが。
これって俺のせいか!? と叫びながらとりあえずオリオトライ先生に吹っ飛ばされたあの光景を覚えてしまったのは良い事か悪い事か。
だが、それくらい彼の力は確かに破壊の方向性に突出している。
無論、破壊も方向性によってはそれは正しい方向にも使えるものだ。
土木関係なぞ正しくそれだ。

だけど彼は剣神で副長で、そして最強を目指している。

だからこそ余計に守るのは苦手。
そういうのはネイト辺りに任せると苦笑交じりに漏らしているのが常の彼であり、常の彼の生き方であった。
その彼が自分が定めた生き方を
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