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不可能男との約束
各々の獲得
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ような事が起きても砕けない。
何故なら日常という何でも起きる毎日で積み重ねたものなのだから。

いいなぁ……

思わずついそんな事を思い───慌てて内心で首を振った。
いかんいかん、自分から聞いた事とはいえ自分まで流されてどうする。
大体、他人様の事にこんな嫉妬なんて……いえ嫉妬じゃありませんよーう。そうこれは単にシュウ君が誰も彼もにいい顔をしているからちょっとこれはどうかと思うっという事で……

超絶私面倒臭い……!

ああ、私、どう見ても面倒で人気が低くなるような行為ばかりしているキャラになっていますよ。
そういった意味では常に単刀直入な喜美やナルゼやウルキアガ君やシュウ君やホライゾンが羨ましい。
単刀直入に意味が分からん個性が発揮するがそこは綺麗に無視させて貰う。
今日は自分の弱点やら欠点やらを自覚する日のようだ。
そうして頭の中でモヤモヤしているとこちらを見かねたのか

「それで……今日はどのような要件で?」

気遣いの一言を受けてようやく頭を冷やせた。
そこでとりあえず小さく息を吸って吐き、頭を切り替え、姿勢を整える。
こちらの雰囲気を察したのか、留美さんは目を真剣の意味で細め、あちらも姿勢を整えていた。
その態度に申し訳ないと思う。
彼女はプライベートと言った。
確かにプライベートでここに来たつもりであった。
ただしそのプライベートはプライベートと言うには余りにも失礼で重いモノで

「単刀直入に言います───シュウ君の家族は今、何をしているんですか?」

間違いなく人の隠し事に土足で踏み入る行為であった。




「───」

ピタリ、と一瞬、留美さんの雰囲気ですら止まったのをはっきりと浅間は感じてしまった。
直ぐに立て直して笑顔を浮かべようとしていたのは流石だが、その態度を予想していた自分からしたら申し訳ないが流石に察しが着いた。
その事に留美さんも気付いたらしく、はぁ、と自分の未熟を恥じるように息を漏らした後、真剣な表情のまま

「何故……今になって?」

当然の質問だ。
何せ今までずるずるとモヤモヤした状況のままを良しとしていたのにここに来ての直球だ。
騙したような形で問うたようなものだ。
答えるのは義務だ。

「やはり会議の時の妖精女王の言葉もそうですが……それ以前に。祭りの時のシュウ君の言葉を改めて思い出すと違和感を感じて……」

「違和感?」

はい、と答える。
あの時は少々テンパっていたせいで気付かなかったが、よくよく考えれば極東語がおかしい。

彼は家族の事を元気にしている(・・)よ、と答えた。

おかしくないようには聞こえる。
聞こえるが……彼の口調ではまるで今、直ぐ傍にいてそれを見ているみたいな言葉の使い方であっ
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