〜新二幕〜合間見える亡霊
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葉川 裕海。前回の事件で確実に仕留めたと思い込んでいたのだが???
「裕海???どうやって生き延びやがった??!」
裕海は木の上から、笑みを浮かべながらこう言った
裕「さっきの言葉、訂正させてもらう。僕は亡霊だ。この地に未練が有るゆえに残ってしまった醜悪の塊さ」
「何が言いたい?」
裕「その未練?????、この傷を負わせた者を道連れにすることさ???」
淡々と言葉を吐き捨てながら、和服の襟の部分を掴み、体を露出させた。
裕海の右胸から、斜めに深々と縫合されている傷を見た。
あの傷、裕海と一戦交えた時、俺と裕海の勝敗を分ける決定打となる一撃を放った時に負わせた傷だ。
「来い????成仏させてやるよ」
そう言って裕海に手招きをする。
裕「そうこなくては」
裕海は、乗っていた木から飛び下り、俺に向かって走って来た。
その走ってくる裕海を飛び越えて、裕海の頭頂部を踏みつける。
裕海は思い切り、地面に顔を擦らせながら滑った。
裕海は鼻背から血を流しこちらに振り向く。それと同時に裕海は飛び掛かって来た。
裕海の両手の平と額を俺の両手の平、そして額をぶつけ、その場で二人とも静止した。
「お前は全然変わらねぇなぁ?裕海ィ!」
足に力を入れ、裕海を押す。
裕「言っただろう!?俺は亡霊だ!亡霊は時間の呪縛に支配されん!」
裕海は俺の力の倍の力で押し返してくる。
「そうか、なら成長した俺より弱いって事だな!」
俺は一気に力を抜き、裕海は力を加える点を失い、よろめいた。
裕海は俺に力を加えていたので、力を加えていた分、加速した。そこへ俺は裕海の腹へ蹴りを見舞った。
裕「がっはぁぁ!」
裕海が後方へ吹っ飛ぶ。
「もう、お前じゃ俺には勝てん、諦めてさっさと地獄でも堕ちな」
砂塵が舞い上がる中、裕海が立ち上がり、こちらに向かってきた。
裕「ふ、ふははははははははははは!」
裕海は腹を抱え、笑いだした。
「何が可笑しい!?」
裕「地獄に堕ちようが、何が起ころうが、お前も道連れだよ????骸ぉ????」
裕海は舌を使って唇を濡らす。
「それなら、堕ちた先でもお前を痛め付けてやるよ」
5年前の、あの忌むべき本能が再び眠りから覚め始めている感覚を覚えた。
それは裕海も同じだと見受けられた。
裕「今や、お前と対等な力を持つ人間は俺しか居ないからなぁ?
お前なら人間を瞬きする間に素手で木っ端微塵にできるだろ?俺見たいによぉ?」
そう言って、瓦礫の方を指さす。
そこには、赤一色に染まった瓦礫と赤黒い物体が無数に散らばっていた。その中にはまだ、少し痙攣しているものも見受けられた。
「裕海ィ????!」
裕「『許さねぇぞ』とでも言いたげな顔だな?骸?」
To be continud
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