うんちょーさん、雷神を知るの巻
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は共に立ち上がった同志です。遠慮ならずにどうぞ。」
しばらくしてから絶郎殿が回復したと聞いたわたし達は店にまねかれ、その…何と言うか食事を奢ってもらった。
先ほどの無礼な振る舞いにも関わらずここまでしてくれた御仁に警戒心など持てるはずがない。
いや最初からする必要などなかったのだ。
聞けば彼は滅びかけた村を再興し、飢えている人々を救ってきたそうだ。
人を養う費用と土地、そして名声を得ている彼に尊敬念を抱いてしまったほどだ。
(世の中、捨てたものではないな。)
暴政を敷く太守や、弱い人間が集まりさらに弱い人々を襲っていくこの地で桃香様の様な方がまだいたとは……感動のあまりに目頭が熱くなってくる。
恥知らずにも追加の注文する鈴々が視界に入ったことで涙を堪えることが何とかできた。
何をやっているのだ貴様は。
200人ばかりの義勇兵を連れたわたし達は公孫?殿に謁見することに成功した。
大勢の兵を率いていることもあるだろうが、わが主と旧知の仲であることも大きいだろう。
それから数日たったある日、さっそく賊の集団が領の集団が現れたのだ。
早速、賊の討伐に出た我々だが絶郎殿の側近である次郎殿がこんなことを言い出したのだ。
「我々が一当てして参りましょう。」
「何?」
話はこうだ、まず正規兵には見えない絶郎隊が賊の目の前に現れぶつかる。
数が少ない集団を見たら間違いなく油断するから、前線を少し崩しワザと負けたように見せかけ完全に油断しきった賊を二つに分けた本隊で挟み撃ちにする。
どこか無理がある気がする…ぶつかる必要はないのではないか?しかし悪くない策だ。
「行けるのか?」
「我々は身軽です。いざとなったらすぐに離脱できます。」
「いや……しかしだな…」
しぶる伯珪殿。平気で捨て駒にする太守がほとんどだろうが、彼女はそれをしなかった。
しかし、成功すれば被害を最小限にして賊を討ち取ることができる。失敗しても被害は絶郎隊だけだ。
それから少しして、浮かない顔をしつつも何とか納得された。
鈴々やわたしを加えることも考えたが、要である兵を指揮する人間がいなくなってしまうとのことで
却下された。桃香様が行くとも言っていたが当然却下。結局、囮役は絶郎隊のみ。
「ご武運を。」
彼らが無事であることを祈るのみだ。
「関羽様ぁ!ぞ、賊の全滅を確認しましたぁ!」
「ファッ!?」
思わず奇声を発してしまった。
たしかに悲鳴やら奇声は聞こえなくなったが、それにしても信じられない。
早すぎる。敵は絶郎隊の数倍は確認されてたはずだ。それを全滅だと?
「これより、敗走した賊を捕えるようです。武器は捨てているそうなので、生かして捕えろ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ