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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第34話 ジャック vs 海の大妖 セドナ
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クは全くと言って良いほど堪えてないのだ。自分自身の攻撃を受けてここまで手応えがない。間違いなく当たってるのに、手応えがある様子が全く無い様子を見せていた為、攻めきれずにいた。虚勢を張っている様にも見えなく、余裕の表情が見えているのだ。
『そうか? まあ、オレも、色んな攻撃を経験してきているからな。 ……兎も角 そろそろ、こっちの
攻撃
(
ターン
)
でいいか?』
ジャックは、頭を軽く掻きながら、そう言うと同時に。足に妖気を溜めた移動術。瞬時に相手との距離を縮める歩法《縮地》を使い距離を一気に詰めた。
「っな!! (速ェ!?)」
突如、目の前に現れた。それは、瞬間移動とも錯覚してしまう程のスピード。そして、すぐに攻撃は来た。
ジャックは男の脇腹めがけて蹴りを放ったのだ。だが……。
『……防いだか?』
ドゴンっ! と言う鈍い音は訊こえたのだが、足に伝わる感触が全く違う。脇腹を直撃するはずだった一撃を男は右腕でガードし耐えていたのだ。
防御しているとは言え、多少はダメージはあるようだが、それでも飛ばされたりはしていない。
(やるな……? こいつ)
腕をブンブン振っている男を見て改めて感じた。先ほどの連中は、あっさりと吹き飛んだが、この男は堪えているのだから。
「ふん……、確かに、お前のスピードにはビビッたが(マジで) その蹴りは、さっき一度見せてもらったからな、馬鹿正直に同じとこ蹴りにきたら防御するぜ? 普通」
ガードした右腕を振りながら話した。
「でもま、アンタはやっぱつええ…人間擬態のままでそこまでするたぁな… 出し惜しみしてられねーみたいだわ」
男は人間の姿から徐々に姿を変えた。
その姿は、邪悪で、不吉を孕んだようなオーラを撒き散らしていた。水を具現化させ、まるでマントの様に纏っている。両の手にも、水を宿し、まるで炎が立ち上っているのか? と思える様に 怪しく揺らいでいる。
ジャックは、その姿を見て確信した。
『この姿………。 セドナ、か』
セドナ、海の大妖の一角。イヌイット神話で語られている冥府の王として称される妖。同じ海の妖怪であるセイレーンにも似ている所がある。共通するのは、残虐だと言う事だ。
(確か……、人間を殺すことに至高の喜びを感じるたちの悪い妖だったよな……? デキる訳だ。 大妖に分類されるほどの妖だし。やっぱり、支部長クラスは、大妖か)
「ははは!かなり強い相手だ。なら全力でいかなければならんだろ?」
正体を現した瞬間、背後に広がっている海から、津波が発生した。
「俺は海を統べる妖しの一角……、この大津波から逃れられるかな?」
その大波は意思を持っているように、立ち上ったまま静止していた。無重力空間
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