26部分:第二十六章
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」
紹興酒を魔術で何処かへと消してそれから踵を返し後姿で別れの挨拶をする。
「また。縁があればね」
「東京に帰ったら宜しく伝えてくれ」
老婆は東京にいる己の姉妹に宜しく言うように伝えた。
「それかニューヨークにな」
「ニューヨークはわからないけれど東京はわかったわ」
沙耶香は老婆の言葉に背を向けて歩きながら答えた。
「帰ったらすぐにね。伝えるわ」
「頼むぞ」
「じゃあ。またね」
「うむ」
沙耶香は最後に老婆の方を振り向いて別れの挨拶を告げた。老婆もそれに応える。そのうえで彼女は上海を後にするのであった。上海の風は潮と牡丹の香りがした。沙耶香は牡丹の香りが漂うことに微笑みながらこの街を後にする。そうしてその香りを身に纏いつつ東京へと帰るのであった。
黒魔術師松本沙耶香 毒婦篇 完
2007・12・18
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