第六幕その四
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「君達もね」
「うん、蝮さんを襲わない」
「絶対にだね」
「この場は」
「そのことを守ってね」
「頼むわよ、これでも私達蛇は天敵が多いのよ」
このこともです、蝮さんは言うのでした。それも困った様なお顔になって。
「犬さんもそうだけれど」
「猪や猛禽類もだね」
「豚は猪から生まれてるからね」
その豚のガブガブの言葉です。
「実際に僕達必要なら蛇もね」
「だから私猪怖いのよ」
その兄弟分の豚もとです、蝮さんはガブガブにも言います。
「狐、狸、穴熊も怖くて」
「僕達は特にだね」
梟のトートーの言葉です。
「ミミズクさん達も」
「見たらすぐに隠れるわ」
その姿をというのです。
「私が一番怖いものよ」
「じゃあ私もかしら」
ポリネシアは自覚していない感じです。
「オウムだけれど」
「襲ってきそうだから怖いわ」
蝮さんはポリネシアにも言います。
「実際にね」
「やっぱりそうなのね」
「そういえば僕達犬も食べることあるからね、蛇を」
犬のジップも言いました。
「狐君や狸君と同じで」
「親戚だからね、犬さんと狐、狸は」
「だから怖いんだね」
「あとそっちのでっかい方々」
老馬とオシツオサレツも見ての言葉です。
「踏まないでね」
「ああ、僕達も」
「そうした意味で」
「天敵なんだ」
「食べることはしないけれどね」
蝮さん達をというのです。
「踏まれたらね」
「そうだね、蝮さんだとね」
「もうそれでね」
「蹄で」
「そうよ、それで終わりだから」
だからこそというのです。
「気をつけてね」
「大丈夫なのは僕だけなんだね」
チーチーがしみじみとして述べました。
「蛇さん達に何もないのは」
「いや、お猿さんも怖いわよ」
蝮さんはチーチーにも言うのでした。
「だって頭いいから襲ってきてね」
「食べるかもっていうんだね」
「そうしてこない?」
「そうなるかな」
「そう、私達は天敵が多いし危険も多いの」
蝮さんは蛇の実情をお話するのでした。
「だからいつも気をつけてるの、それと毒も」
蝮さんの特徴とも言えるそれもというのです。
「滅多に使わないから」
「そう、君達が噛むことはね」
「追い詰められた時だけよ、獲物を捕まえる時とかね」
先生にお話するのでした。
「いざって時だけよ」
「そうだね」
「だって毒は身体の中で作るのよ」
蛇の毒、それはというのです。
「噛んで牙から毒を入れるけれど」
「その毒は蛇の身体の中のタンパク質だからね」
「そんな無制限に出るものじゃないの」
「無駄使いは出来ないね」
「何時でも襲ったりしないから」
例え相手が誰でもというのです。
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