第二話 たかが一杯。されど一杯。
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ない。
……というか、そもそも、私がこんなに悩んでいるのも彼のせいなので、反省する必要もない。
そして、そろそろチノたちが痺れを切らしてしまいそうなので、私は早速作戦を実行に移す。
リゼ「ああ、その通りだ。今朝、私の学校に転校して来てな。流石の私も度肝を抜かれたよ」
チノ「そうですか。ですが、先ほどのやり取りを見る限り、二人はその時が初対面ではないようですが……」
ココア「うんうん。まるで、久々に再開した恋人同士みたいだったよ?あれ、実際そうなのかな?」
いきなり作戦に予想外の事態が起きた。
(わ、私とアイツが恋人同士!?……ないない!!ぜっっったいにありえない!!)
思わず彼と私が腕を組み、街をデートしている姿を想像し私は顔中が熱くなり、更にはそれが全身にまで回っていくのをリアルタイムで観測する。
この手の話題は、私にとって不得意中の不得意。
これまで、親父のおかげで軍関係の知識や技術は豊富だが、それに反比例して年頃の女の子としての知識は完全に一歩か、または二歩以上遅れている。
普段はお嬢様学校という事で、箱入りに育てられた人たちと並んでいるので、違和感あまり感じはしないが、やはり、どうしてもココアたちとこういう話になった時には、気後れというか、一歩引いた位置での聞き役に徹することが多くなってしまっている。
自分でも、何とかしなければとは常々感じてはいるのだが、何とかしようにも周りにいる異性といえば、実家のみんな、親父、チノのお父さんでこの喫茶店のマスターでもあるタカヒロさん、ぐらいだ。
この環境で、どうやって異性に慣れろというのだ。
ここで焦ってしまっては、かえって怪しまれると思い、少し深呼吸をして、冷静に答弁する。
リゼ「な、なな、ななな、なわけないだろう!?どうしてそうなるんだ!!」
私的には、したつもりだった。
だが、
チノ「まさか、本当に……?」
ココア「きゃー!リゼちゃん、大人だー!!」
ティッピー「確かに、雰囲気がリゼと似ておる。お似合いじゃと言えるかもしれん。だが、ここはやはりチノと一緒になってもらって、店のあいんt、フゲボラッ!?」
今度は位置を直すフリに、それに失敗した、というフリを重ねてティッピーの顔面を叩き、地面に落下させる。
そして、拾うフリで何かをティッピーにつぶやき、それを聞いたティッピーが震え上がる。何かを言ったのは間違いないのだが、私が今それを気にする心の余裕は微塵も残っていなかった。
リゼ「だ、だから!!違う、コイツと私はそんなんじゃない!!」
チノ「では、どんな関係なのです?」
リゼ「う、うう、そ、その、あの……えっと、そうだ!親父との付き合いで、軍関係のツテで前にあったこと
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